2012.08.08 WED
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広報レポート <傷だらけの勲章>

 二塁を回ったヒーローはベンチを飛び出したナインの下敷きになり、起き上がるとユニフォームは真っ黒に汚れていました。3時間半が経過し、引き分け目前の9回2死一、二塁で代打に起用された杉谷選手がホークス森福選手から左越えにプロ入り初のサヨナラ打。「打った瞬間、キターっ!という感じでした。外野が前にいたので(外野手の頭を)抜けると思いました」。雨の中、最後まで残って声を枯らすスタンドに報いたいという思いが形になり、右腕には誰に踏まれたか、スパイクされた跡がくっきりついていました。

 試合は2回まで5点差をつけられながらも、3回に打者10人を送る猛攻で同点に。4回にはいったん勝ち越すも、7回に同点本塁打を浴びて振り出しに戻りました。前日は痛い逆転負けを喫していただけに、望む結果が引き分けでなかったのはベンチ全員の総意でした。9回1死から中田選手が四球を選ぶと、3回に通算1000打点を達成した稲葉選手が送りバントを成功。栗山監督から「いけーっ」という短い檄とともに代打起用された杉谷選手は「いきます」と答え、今季のホークス戦本拠地初勝利、道内地方試合今季4試合目での初勝利をもたらす大仕事をやってのけたのです。

 大ベテランがお膳立てしてくれた場面。つい最近も「拳士、2000本まであとどのくらいだ?」と声を掛けられ、堂々と「残り1970本です!」と即答。先輩後輩の垣根なく接してくれることに感謝し、背中を追いかけながら結果を残していくことに必死でした。まさに全員でつかみ取った勝利は調子を上げてきたライオンズとの対戦に向けて力を奮い立たせてくれるものです。右腕の傷をさすりながら、杉谷選手は「しっかりこの後も結果を残せるよう頑張ります」と頼もしく誓っていました。

八木投手 <2回、球数45、打者13、安打5(本塁打1)、三振0、四死球2、失点5、自責点5>

「ただ申し訳ない。それだけです。」

栗山語録

「すごいゲームでした。ピッチャー総動員して頑張って攝津から追いつきましたから。選手たちを誇りに思います。選手たちがこれっぽっちも諦めなかったよね、諦めたらああはならない。(稲葉選手の通算1000打点について)あのヒット、それにバントしてもらったりして、すべて稲葉が流れを作ってくれた。拳士(杉谷選手)はよく打ちましたね。ああいうところで代打を出されても打たせてもらえないのがプロの世界なんだけど、攝津から追いついた流れがあった。ホントによくやった。大きな意味がある試合、せっかくこういう試合ができたんだから、明後日からに生かしていきたいと思います」

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