2012.08.15 WED
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
R
H
2
10
0
4

広報レポート <スクランブル初勝利>

 勝利のハイタッチを交わすためにできたベンチ前の列。宮西、矢貫、森内3選手が並んで場内アナウンスに耳を傾けていました。「勝利投手、矢貫」。その言葉が流れた瞬間、矢貫選手が拳を高く突き上げました。チームがリードした状態で先発投手が勝利投手の権利を満たさず降板した場合は、勝利に最も貢献したと記録員が判断した投手が勝ち投手になります。完封リレーを見せた投手陣で記録員が“指名”したのは、スクランブル登板ながらリードを守った2番手の矢貫選手でした。

 1回表に2点を先制したものの、先発・八木投手が1回裏1死から相手打者のヘルメットに投球を当てて危険球退場に。ブルペンでスコアをつけていた矢貫選手が、急きょバトンを渡される形になりました。「さすがに緊張しました」。最初の打者にヒットを許しながらも、後続を断って無失点。2回2/3を投げて得点を与えず、引き締まったゲームにしてみせました。3番手の森内選手が2回を完ぺきに抑えたため、「勝ちは森内かもしれませんね」とゲーム中に話していただけに、“火消し”が評価されたことのうれしさがアナウンス後のガッツポーズにつながったのです。

 「後輩に負けないように頑張らないと」。この日の練習中、母校・仙台育英高が甲子園で激闘を繰り広げ、逆転勝ちを収めました。高校時代はエースでもなく、2番手でもなかった矢貫少年。「ベンチ入りすることもできなかった。僕はスタンドで応援してました」と苦笑します。しかし、10年後のいま、当時の野球部員でプロ野球選手になったのは矢貫選手ただひとり。大学、社会人で力を蓄え、プロの世界で期待に応えられる存在になりました。思い出の地・仙台で今季初勝利を挙げられたことも、さらなる飛躍へのきっかけになることでしょう。

栗山語録

「(八木の危険球降板で)誰もあの準備していない中で矢貫があの回(1回)を踏ん張ってくれたのが大きかった。本当に難しかったと思うけれど、元々先発でロングリリーフをやってもらってきたこともあってチームに貢献する形が出来ていた。後のつなぎは一番オーソドックスな形だったけど、誰か一人でも走者を出していたら早めにつないだと思うし、最後まで0に抑えてくれたことはうれしいよね。もう少し点を取って投手を楽にしてやらなければいけないんだけど。八木は立ち上がりだけ見たらしっかり修正してマウンドに上がってくれた印象。次の登板ではやってくれると思っています」

  1. トップ
  2. 試合情報
  3. ゲームレポート