2012.08.17 FRI
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広報レポート <成長の跡>

 ピンチを背負った場面でこそ、成長の跡を見ることができます。実際にどう打者と対峙するかの前に、どう自分と向き合うか。2点をリードした6回です。2連続四球と安打で死満塁。一打同点の状況で、まずカーブで空振り三振に仕留めると、次の打者を迎える際にマウンドを一度降りて呼吸を整えました。「テンポが同じでは合わせられるから」。自分のリズムで投げ、空振り三振に打ち取りました。直後に押し出し四球を与えたとはいえ、同点にはさせません。今季ローテを守り続けることで経験値を上げてきた左腕。四球を出しながらも粘る投球に、もはや誰も疑問を抱かないはず。7回からはリリーフ陣にバトンを譲りましたが、110球の熱投で初めての2けた勝利に手が届きました。

 「投げさせてもらえる限りは勝ちにつながるピッチングをしたいとは思ってます。でも、2けた勝った実感は正直ないんですよね」。これまでもあと何勝で2けたなどと計算したことはないといいます。ひとつひとつ乗り越え、積み重ねることで、結果として勝ち星が10個になったという感覚。チームの勝ち頭として君臨するようになっても、その気持ちを変えずに前に進み続けるつもりでいます。がむしゃらに走る吉川選手の姿に目を細めるのは栗山監督。3年間勝ち星のなかった左腕に賭ける思いは、就任直後から強いものがありました。名護キャンプ、オープン戦と好調をキープして、ローテをほぼ手中にしたころ、指揮官はこう話していました。「笑われるかもしれないけどさ、アイツには10勝させたいんだよね」。吉川選手本人だけではなく、起用する側の自分自身にも高いハードルを課し、ことあるごとに叱咤激励を繰り返してきたのです。

 相手のミスによる得点での勝利とはいえ、首位をしっかりとキープ。残りはちょうど40試合。今後も成長の跡を見せることができれば、勝ち星は自然と増えていくはずです。

吉川投手 <6回、球数110、打者28、安打5、三振7、四死球5、失点1、自責1>

「調子自体はいつも通りでしたが、立ち上がりからバタバタしてしまいました。6回は先頭から2人続けて歩かせてしまい、点の取られ方も悪くてチームに対して申し訳なく思います。」

栗山語録

「吉川はああいう点の取られ方(押し出し四球)に納得していないと思うけれど、この世界は実力以上に実績が物を言う。10勝って生まれる余裕もあるし、ここからは自分のことよりチームのために頑張る番だと本人に言いました。宮西には一番無理をさせていて、信頼が厚い分どうしても名前を告げてしまう。重要な仕事をしてくれるし、(シーズン残り)もうちょっとだけ頑張ってもらいます。残りは40試合、先を考えると長いので明日命がけでやることが大事。ああしておけば良かったという時間はなく、選手には無理をさせると思いますがチームが勝つためにみんなで力を合わせて頑張ります」

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