2012.09.09 SUN
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広報レポート <伝家の宝刀>

 ピンチを背負っても冷静でした。ここで打たれはしない――。7回1死一、二塁。マウンド上でボールをこねる中村選手は、ある種の確信を持っていました。「カーブがきょうは良かったんで」。慌てることなく対峙したのは相手打者だけではありません。緩いボールを投げると打たれるかもしれないという自分自身が抱える恐怖心にしっかりと立ち向かいました。バルディリス選手を104キロのカーブで遊飛に打ち取ると、続くスケールズ選手は90キロ台のカーブを交えながら最後は103キロのカーブでニゴロに。堂々とベンチへと戻って行きました。

 まっすぐとカーブのコンビネーションでタイミングを崩す。これが中村選手のピッチングスタイル。調子のバロメータはフライでどの程度アウトを取れるかだといいます。カーブに意識を置く打者は、まっすぐには振り遅れる。それでファウルを打たせて有利なカウントに持ち込み、じっくりと料理していきます。試合前に栗山監督をして「何かをつかんだ」と言わしめた投球はこの日も崩れませんでした。そのピッチングを見つめていた吉川選手は言います。「カーブの精度が上がったから、バッターはカーブを捨てて待つことができなくなった。あのカーブをコントロールできると打つのは難しい」。7回99球4安打無失点。最後は先輩投手の力を借りましたが、前回登板に続く連勝で2勝目を挙げました。

 このカードを勝ち越し、首位ライオンズとのゲーム差は「0」になりました。残り21試合です。「自分のやれることをしっかりやっていきます」。優勝争い真っ只中、スターダームにのし上がった20歳の右腕。その力は、これから更に必要とされるに違いありません。

中村投手 <7回、球数99、打者25、安打4、三振4、四死球1、失点0、自責0>

「自分の中ではしっくりいく球がそれほど多くなかったのですが、何とか野手の方々に助けられて終盤まで投げることが出来ました。鶴岡さんのリードもあって、いい感じで緩急をつけられたと思います。リードして後ろのピッチャーにつなげたいと思っていたので、その通りつなぐことが出来てよかったです。」

栗山語録

「(先発の中村)勝を見ていてストライクが入らないだとか、四球を出す怖さが全くなかったよね。登板が増えてきて相手に研究もされる中で、安心感、安定感があった。先に点を取って、その後追加点が奪えない中でも投球が変わることがなかった。ロースコアの試合が続いて体が悪くなってもおかしくない(笑)。でもここからは普通の試合はないと思っているし。きょうみたいな(先制できた)試合はむしろいい方かも知れない。こういう勝負が出来ていることを幸せに思いながら、頑張ります」

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