2012.09.21 FRI
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広報レポート <豪雨の中で>

 マウンドを降りてベンチに腰を下ろした吉川選手の視線は、しばらくグラウンドから離れることはありませんでした。1点リードで迎えた8回。2死2塁から3連打で逆転を許し、無念の降板。「あそこで踏ん張れないようでは意味がない。チームに迷惑をかけてしまった」。責任を一身に背負うようにそう振り返るのは、この試合の持つ意味を誰よりも実感していたから。そして、何よりも自分が大黒柱としてチームを引っ張ってきた自覚があったからに他ありません。

 7月7日以来の5敗目を喫しました。しかし、吉川選手を責めることはできるでしょうか。ここ最近の9試合はすべて6回以上を投げて1失点以下でチームは8勝1分。優勝争いの立役者であることは紛れもない事実でしょう。この日も先頭打者に被弾しながら、その後は7回まで走者を得点圏に進めることなく安定したピッチングを見せました。

 歯車が噛み合わなかったとしかいいようのない一戦でした。1回に2点を先制したものの、2回以降は5イニング無安打。7回に1死満塁のチャンスで追加点を挙げられませんでした。8月22日以降、打線は満塁機で22打席ノーヒット(犠飛などでの2得点はあり)です。あと一本が出れば…。この嫌なデータを早く崩し、大量得点が生み出されることを期待するほかありません。

 試合終了後、球場の外に出ると激しい雨が降っていました。栗山監督はチームバスに向かう傘の下で、こうつぶやきました。「早く替えてあげればよかったかもしれない。でも、マウンドにいたのは吉川だったから…」。その言葉には左腕への揺るぎない信頼感が含まれていました。来週、札幌ドームでのライオンズ戦に登板する可能性が高い吉川選手は「やられたらやり返す。当然です」。悔しさを豪雨で洗い流し、次の戦いに臨みます。

栗山語録

「吉川はあそこ(8回)まで行って大丈夫だと思っていたので、結果的にやられれば…というのもあるけれど、2回以降打線にヒットが出なかったことも問題だし。(増井へのスイッチについては)いろんな理由がある中で、自分の中ではそういう選択はなかった。中島は(吉川に)合ってなかったし、代えてやられる方が嫌だった。野上は元々いいと思っていたけれど、それにしてもずっとヒットが出ない状況が続いてしまった。(8回1死満塁の好機を逸し)その回を含めて点を取っていかなければいけなかったなと思います」

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