2012.09.23 SUN
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
0
0
0
0
0
2
2
0
2
1
0
0
0
1
0
0
0
0
R
H
6
10
2
8

広報レポート <4番の仕事>

 直前の1球は150キロを超えるまっすぐでした。わずかに反応しただけでボールと見極めてカウントは2-2。ここで中田選手は読みを働かせていました。勝負の1球となった外角の変化球にしっかりと体を残してスイングすると、打球はレフトの頭を越えていきました。同点で迎えた7回2死1、2塁。ボールが転々とする間に2者が生還し、ライオンズを突き放しました。

 「打ててなかったどころか足を引っ張ってましたから。それに絶対に負けられない試合なのはみんな分かってた」負ければ今季初の同一カード3連敗を喫するだけではなく、首位陥落となる一戦。4番に座り続ける男は、ここ一番で責任を全うしてみせました。先発・中村選手が先制されながらも粘りのピッチングで5回まで2失点。「マサルも頑張っていたから何とかしないといけないと思っていた」と中田選手は振り返ります。プロ3年目の後輩がマウンドを降りた直後の6回無死3塁。ここで目覚めの一発を放ちます。カウント1-3からのカーブを完ぺきに叩いて左翼席へ21号2ラン。試合を一気に振り出しに戻したのです。

 中村選手の後を受けた中継ぎ投手陣も4イニングを無失点。特に不調だった増井選手は“いつもの8回”を任され、11球で三者凡退に抑えました。試合後、栗山監督は「普段はあまり表情を変えない増井が本当に嬉しそうな顔をしていた。本当に良かった」と目を細めました。

 ライオンズとの首位攻防シリーズは1勝2敗。負け越しはしましたが、首位をキープして本拠地に戻ります。何よりも最終戦を取れた勢いで残り9試合へ。仕事を果たした4番はこう言いました。「ホッとしたという感じではない。もっとやってやるという気持ちです」――。

中村投手 <5回、球数110、打者24、安打8、三振4、四死球2、失点2、自責点1>

「立ち上がりは力んでしまってコントロールが定まりませんでした。そのあと自分なりに粘ることができたのは良かったかもしれませんが、三者凡退が1回しかなかったので、それを増やしてチームに流れを持ってこられるようなピッチングをしたい。同点に追いついてもらえたことに感謝して、チームが勝てるように応援します。」

栗山語録

「中田は本当に4番らしいものを見せてくれたと思います。苦しい状況だっただけに良かったし、元々素晴らしいものを持ったこういう打者。終わってから増井の顔を見たらとても感じるものがあった。おととい、昨日とやられても自分の仕事をやってくれているのはひしひし感じたし、中々白星につながらなかったけれど皆が自分の仕事をしてくれているのは感じていたんでね。先行され、相手が岸で追い込まれたところからこういう試合ができて、本当に誇りに思います」

  1. トップ
  2. 試合情報
  3. ゲームレポート