

広報レポート <勢いの差>


ホームベース付近で両ひざに手をついてうなだれる吉川選手の姿に、この試合にかける気持ちが表れているように見えました。1点を追いかける7回1死三塁。相手投手を考えれば、これ以上の失点が許されない場面でした。しっかりと打ち取ったはずが、守備陣に送球と捕球ミスが出てまさかの失点。1点をリードする4回には、挟殺プレーに乱れが生じて勝ち越し点を献上しています。「きょうは熱くなりすぎるくらいでもいい」。黒木投手コーチが期待を込めたように、114球を投じながらも8回のマウンドへ。1死一、二塁から併殺に打ち取ったところは、執念を感じさせるものでした。8回で失点は3。しかし、自責は1点となれば、今季負けなしのイーグルス・田中選手と堂々と渡り歩いたといっていいでしょう。
内容をみればリーグ首位を走るチームに叩きのめされたとは感じられない一戦でした。ただ、勢いの差はまざまざと見せつけられました。その勢いを跳ね返すには、やはりひとつひとつのプレーに対する集中力や執念が重要になってきます。田中選手とは今季7度対戦していますが、4試合で先制に成功しました。そのすべてで逆転を許してしまった理由をチーム全体ではっきりとさせる必要がありそうです。この状況になれば上位チームの嫌がる対戦相手になれるかどうか。それが残り13試合が終わったときの順位にも関わってくるはずです。
吉川投手 <8回、球数127、打者32、安打8、三振4、四球2、失点3、自責点1>

「何もないです。打たれた僕が悪いです」
栗山語録

Q.今日の試合を振り返って
「何と言う言葉がいいのか…。これだけ苦しいシーズンの中、たくさんのファンの方々が応援に駆けつけて下さり、本当にファイターズらしい野球ができたのか。申し訳ないと言って許される訳ではないけれど」
Q.吉川選手は負けたとはいえ内容のある投球を見せました
「見方によれば1点も取られていないし、ホッとしたという思いと、ここ何試合か状態が上向いて前に進んでいるので、勝たせてやりたかったという思いもあります」
Q.守りの乱れが失点に直結しました
「しっかり守って点を与えないというのがファイターズのベースにある。ミスがつきもののスポーツだけれども、キャンプから練習を重ねてきて技術を発揮できないのなら何か理由があるんだと思う。(能力を)引き出せないのはこちらの責任でもあるので」
Q.残り試合に向けて
「ファイターズの誇りを胸に、精一杯やるだけです」