

広報レポート <失敗をオフの宿題に>

今シーズン最後の遠征となる変則3連戦。若手選手を一軍に昇格させ、勝利を目指しながら個々の経験値アップを狙う布陣となりました。札幌ドームでの連勝で大阪に乗り込みましたが、結果だけをみると低空飛行が続いたシーズンの戦いと同じように見えるものでした。しかし、これが来季、そして、その先への分水嶺になると考えれば、また違う見方となるでしょう。
攻撃陣は1回、2回と四球だけで一、二塁のチャンスを作ったものの、ともに併殺で無得点。四苦八苦していた相手投手を波に乗せる結果に終わってしまいました。『動く真っ直ぐを投げる外国人投手を攻略できなかった』で終わるのではなく、攻略するためには何が必要になるでしょうか。また、守備陣はこの日も失策が失点に結びつく状況に。パ・リーグワーストの守備力底上げは必須です。投手陣もリーグで2番目に多い与四球数など、課題は多くあります。選手個人のレベルアップはもちろん、リベンジを果すためにチーム全体で考えなければならない“オフの宿題”がはっきりとした試合になったのではないでしょうか。
一方で中嶋選手兼任コーチが今季初出場を果たし、野村克也氏を抜いて捕手として歴代単独1位となる実働年数が背番号と同じ「27」になりました。普段はコーチとしてカツを入れる大ベテランが、その背中で後輩たちの奮起を促します。きょうの失敗をこれからどう活かすか。それがファイターズの未来を決めるといっても言い過ぎではないでしょう。
吉川投手 <6回1/3、球数115、打者30、安打6(本塁打1)、三振3、四球2、失点7、自責点3>

「打たれてすみません。それしかありません」
栗山語録

Q.吉川選手が勝てませんでした
「内容は悪くなかった。一時の吉川らしくない投球は抜け出した感じだけれど、味方にエラーが出ても踏ん張るのが吉川だから」
Q.これでクライマックスシリーズ出場の可能性が消滅
「今年はずっと、この試合、という節目をことごとく落としてきた。いくら一生懸命やっても点が奪えなければ勝ちに近づけないし、そういう意味でも象徴的な試合。可能性がゼロになった瞬間、君たちには修業が足りないのだから頑張りなさいと、神様に言われていると思った」
Q.残りはどのように戦っていきますか
「現実をしっかり受け止めてやるしかない。昨年は日本シリーズまで行ってそこでしか学べないことがたくさんあった。この時期から来年へ走り始められるわけだから、それを生かさない手はない。少し時間をもらえたと思ってやるしかない」