

広報レポート<“スカウティングと育成”の真髄>


長打警戒で深く守っていた中田選手の前に、フラフラと打球が上がりました。勢い良くダッシュして必死に伸ばしたグラブにボールが収まると、ベンチで見守っていた男は大きくガッツポーズを作りました。横にいた宮西選手に肩をもまれながらグラウンドへ出て、チームメートと勝利のハイタッチ。武田久選手からウイニングボールをプレゼントされ、満面に笑みを浮かべました。「自覚できるくらい緊張してました」。
そう照れ笑いする右腕が、強力ホークス打線を相手に6回4安打1失点。プロ初登板初先発で、プロ野球の1ページに「勝利」の文字を刻みました。
専大松戸高時代は甲子園出場の経験もなく、全国的には無名といってもいい存在でした。しかし、長身を駆使した投げっぷりの良さに将来性を見込まれ、2011年のドラフトで6指名され入団。昨シーズンまでの2年間は、低迷するファームチームにあって、勝ちがつかなくても先発ローテを守ってきました。そして、今季の春季キャンプで一軍帯同し、チームの狙い通り、一気に素質が開花。開幕ローテの座を射止めました。
素材を買われた高校生投手がドラフト下位で指名され、チーム状況に影響されることなく英才教育を受ける。年下の大谷選手が先に一軍マウンドに上がったことにも刺激を受け、この2年間を「長かった」と表現するプロ3年目。『スカウティングと育成』を標榜するファイターズの“申し子”ともいえる20歳が、ついにプロ野球の世界へ大きく羽ばたいた瞬間でした。
上沢選手 <6回 111球 打者23 安打3 三振7 四球1/死球1 失点・自責点1>

「いままでボークなんてやったことがないんですけど、それくらい緊張しているんだなって自覚していました。ただ、ストレートは思いきり腕を降ること、変化球は低めに投げること、あとのことを考えないで思い切りいくこと、そう思いながら投げました。早めに点を取ってもらえたことにも感謝しています。この後はチームが勝てるように応援します。」
栗山語録


Q.上沢選手がプロ初登板初先発で初勝利
「この打線を相手にしても、怖がらずにしっかりといけた。よく頑張ったね。こういう選手がプラスアルファになってくれないとチームは成長しないんでね」
Q.ブルペン陣も踏ん張りました
「クロッタの間隔を空けてあげたというのはあるけど、本来、あの3人(宮西、増井、武田久3選手)がウチの形だからね」
Q.効果的な攻撃でした
「ヒット打ってないんだけどね。でも、ホークスに勝つためにはこういう野球をしないといけない」