2014.06.18 WED
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広報レポート<聖地での覚醒>

2回、ホームランの中田選手
8回、ホームランの大野選手

18人目の打者が放った打球が三遊間を抜けていきました。少し苦笑を浮かべたところに大野選手が歩み寄り、大谷選手は一息置きました。それまでの17人には、全くつけ入るスキを与えず凡打と奪三振の山を築きました。得点は1-0。野球の魔物は完全試合を逃した後に襲いかかってくるといいます。しかし、バッテリーの共同作業で一塁走者を盗塁死にしとめ、その芽もしっかりと摘みました。8回に3点の援護を受け、打たれた安打はその1本だけ。9回はA.カーター選手にマウンドを譲りましたが、自己最多の11奪三振を奪い、完ぺきな形で6勝目を挙げました。

試合前のブルペン調整は、決して好調なものではなかった様子。厚澤投手コーチは「どうなることかと思った」と振り返ります。ところが、一度マウンドに上がれば3試合連続で160キロを計測する姿に。これも“聖地”がもたらした見えない力なのかもしれません。2年前よりも確実に成長した姿に、栗山監督は感慨深げに「何かが前に進んだと感じている」と話しました。そして、大谷選手は「(高校時代には)あまりいい思い出はなかったけど、これでいい思い出ができたと思います。こういうことを続けていきたい」と胸を張りました。

甲子園という舞台が大谷選手にとって「覚醒」の呼び水になるとすれば、もう一人の“申し子”中田選手にとっては、目を覚ますきっかけになったのではないでしょうか。2回に放った先制弾は、プロ入り後初めての甲子園アーチ。「やっぱり気持ちいいね」と笑顔で話した4番は、4回に左前打、8回にはダメ押しとなる左前適時打で3安打猛打賞と爆発してみせました。

前日のサヨナラ負けは記録上、取り戻すことはできません。ただ、その重い空気を一掃するには十分なリベンジ勝利といえるでしょう。残り4試合となった交流戦をしっかりと締めくくり、リーグ戦再開へ向かう。その足がかりは確実に出来上がったはずです。

大谷選手<8回 球数106 打者24 安打1 三振11 四死球0 失点・自責0>

先発の大谷選手

「最初はストレートも、変化球も良くなかったんですけど、試合の中で修正することが出来ましたね。スピードは思いっきり投げたら出ると思ってましたけど、札幌ドームの時とは少し感じが違いました。9回まで投げ切れず残念ですが、お客さんの沢山入った甲子園で投げれて楽しかったです。」

栗山語録

Q.大谷選手が8回1安打の好投
「どういうふうに自分が成長したか甲子園で確認したかったと思う。しっかりやりながら投げていたのが分かる。まだまだ勉強することはあるけど、何かが前に進んだと本人もオレも感じている」

Q.1本もヒットを打たれないんじゃないかというペースでした
「いつもああだこうだと言っているのは、こういうふうになるはずだから。ふつうに投げたらこんな感じだろうと思っていた」

Q.中田選手が3安打
「昨日、翔に(高校時代に)甲子園で初めて見た時のことを話したところだった。あれ(先制本塁打)が入ったことで、内容が変わったよね。甲子園で何かを感じさせてあげたかったから良かった」

Q.昨日のサヨナラ負けから立ち直った
「本当は勝ってないといかけないんだけど。クローザーから逆転しているんだから。ただ、きょう負けるとあの負けが倍になってしまう。ひとつ勝たせてもらったこと、それも中心になる選手が活躍したことで、何かをつかんでほしい」

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