

広報レポート<不敗神話が止まっても>


甘く入ったストレートを見逃しませんでした。2回2死。近藤選手が完ぺきに捕らえた打球は、右中間スタンドの一番深いところに飛び込んでいきました。先制の4号ソロ。23試合ぶりの感触を全身に感じながらダイヤモンドを一周する姿は、将来の強打者を予感させるものでした。第1打席で結果を出すと波に乗る男。「この一本で終わらないように次も頑張る」と話した通り、4回と6回の打席ではチャンスメーカーとなって今季2度目の猛打賞を記録しました。
本職の捕手での出場はほとんどなくなり、三塁でのスタメンはこの日で46試合目。高校時代に培った内野手としての能力、そして生まれつきのセンスを、しっかりとグラウンド上で見せています。「三塁の守りも板についてきた」という声には「そう思われるのはうれしいけど、まだまだです」と照れ笑い。攻撃力を見込まれてコンバートされた成果が出て、試合に出続けられている充実感に包まれています。
先発・メンドーサ選手の状態は悪くありませんでしたが、不運な当たりが続いて序盤で劣勢に立たされた試合でした。打線も効果的な一本が出ず、最後まで反撃の糸口を見つけることができませんでした。5連勝のあとの5連敗。長いシーズン、チーム状態の浮き沈みはあるものです。チーム全体で難局を打破するために動いてはいます。あとは歯車が噛み合えば…。そう思わせられる戦いが続きます。
今季ここまでに放った3本の一発は、すべてが勝利に直結していた近藤選手。4本目で初めて黒星がつき、“不敗神話”はストップしました。それでも、20歳最後の一日で、存在感を見せつけました。プロ3年目。21歳になって将来の強打者が本物の強打者になる姿を、見守っていきたいところです。
メンドーサ選手<5回 99球 打者29 安打13/本塁打1 三振2 死球1 失点7/自責点6>

「状態は悪くなかったんだけど、エンドランを決められたり、アンラッキーな当たりが多かったりで波に乗れなかった。残念な結果に終わってしまったことは切り替えて、次の登板へ向けて調整したい。」
栗山語録
Q.(無死満塁のチャンスが2度あり)流れを持ってこれそうな場面がありました
「そうだな。色々思うことはある。仕掛けたつもりはあるけど、相手の打線も良くなっているから。もっと早目に仕掛けないとね。メンドーサもそんなに球自体は悪くなかったしね」
Q.点差開いている中、ピンチでは前進守備を敷きました
「点差は開いていたけれども、最後まで手を尽くすことが大事だと思う。連敗とかは関係なく自分たちがやり尽くしたかどうか、そこを大切にして頑張っていきます」