2014.08.26 TUE
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広報レポート<きっかけの一球>

大谷選手、ヒーローインタビュー
5回、ブロックをかいくぐって生還した西川選手

3回を無失点に抑えた直後のことでした。大谷選手はベンチ裏ですれちがった厚澤投手コーチに、こう言って汗をぬぐいました。「来ました」。その言葉を聞いた厚澤コーチはうれしそうな表情を浮かべ、「おう、来たな。分かったか?」と答えました。初回に2点を先制してもらいながら、すぐに1失点。「最初は全然ダメでした」と振り返る男が、本当の姿を取り戻した瞬間でした。4回以降、許した安打は1本だけ。7回を投げ、プロ2年目でシーズン10勝目を挙げた一戦となりました。

「前半戦と同じように投げられた感覚があった」。そう話すのは、3回1死で李大浩選手と対戦した場面でした。カウント1-1からの3球目で空振りを取れた一球。厚澤コーチは言います。「いままでテークバックまで力が入っていた。あのボールからテークバックの力が抜けて、リリースまでスムーズに腕を上げられるようになった」。6月から7月にかけて5試合連続でクオリティースタート(6回以上を投げて3自責点以下)を決めていた頃のピッチングフォーム。後半戦に入って勝ち星に見放されていた右腕が、ついに思い出したものでした。

“勝たなければいけない”思いが強すぎ、相手のことを意識しすぎたところもあったといいます。しかし、強力ホークス打線を相手に「自分のボールを投げればいい」と確信できたのは大きな収穫になったことでしょう。同じ150キロ後半の速球でも、ファウルされていた相手打線のバットが空を切るようになりました。4回と5回の2イニング連続三者凡退と、6回の1イニング3奪三振は、1試合16奪三振を奪った7月9日のイーグルス戦以来。こうなれば結果は自然についてきます。

初の2ケタ勝利については「特別な意識はないですね。勝つに越したことはないですけど」という程度。それよりも「カードの初戦を取れたことが大きい」と振り返りました。序盤に費やした球数を反省し、さらに長いイニングを投げる。気持ちはすでに次回の登板へと向かっています。チームはこれで3連勝。泥沼の7連敗を抜けてからは8勝2敗2分と、完全に息を吹き返しました。残り31試合。大谷選手にとってだけではなく、チームにとっても大逆転劇への“きっかけの一球”になるかもしれません。

大谷選手<7回 124球 打者29 安打5 三振9 四球2 失点・自責点1>

先発の大谷選手

「最初は全然ダメでしたけど、点を取ってもらって助けてもらいました。3回、李大浩さんから空振りを取ったあたりで、前半戦と同じように投げられた感覚があった。そこからは良くなりました。結果を見てもそうですが、相手のことを考えるより、自分のボールを投げることが大事だということですね。この後はチームが勝てるように応援します。」

栗山語録

栗山監督

Q.大谷選手は初回苦しんでいた様子でしたが、それ以降は上手く切り替えました。
「これを待っていたので。やっと自分の良かったときのタイミング、感覚が返った。明らかに違う人間だった。10勝なんて関係ないと言ってたけれども、一つの目安として一歩前に進むことが出来た。後はチームのために一歩ずつ前に進んで欲しいね。高いレベルの選手は自分を自分で苦しめる。この経験を活かして欲しいです。」

Q.足絡みとバントの攻撃が多く見られました。
「4点が一つの目安だと思っていたので。中島卓のバントは翔平へのメッセージでもあった。」

Q.今日で連敗の区切りがつきました。(対ホークス戦)
「8/1の時点でファイターズとホークスの状態は違うし、一週間後ではお互いの状況も違う。シーズンの中で大事なゲームはいくつかあるわけで、そういう意味では今日の試合を取る、取らないとでは大きな意味がある。最後まで怖かったね。」

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