

広報レポート<1球の重み>


交代を告げられてベンチに戻った上沢選手は、タオルを頭からかぶり目頭を押さえました。1点を追う9回。先頭から安打と四球で無死一、二塁とピンチを背負ったところで、最後までマウンドを守り切れないことを予想していたのかもしれません。次打者を三直に抑えたものの、中継ぎ陣にバトンを渡すことになりました。最後まで投げ切る難しさを痛感する“連続出塁”でした。
せっかくの好投が1球でフイになる。それは7回に浴びた2発でも物語ります。先頭打者には高めに抜けたボール球を強引に弾き返されてバックスクリーンへ。1死を取った後には、大野選手のボール球要求とかけ離れた甘いボールを左翼席に運ばれました。相手先発の状態が良く、打線が決定打を放てない中で、先発投手としてどう我慢するか。1球の重みを1試合の中で何度も感じられ、先発の機会が与えられる毎に成長を続ける20歳の右腕には、いい勉強になったことでしょう。
同一カードの連勝は「10」でストップしましたが、再スタートと捕らえられる一戦に。序盤に苦しんだ8月も、12勝11敗2分と勝ち越して勝負どころの9月に入ります。残り27試合。待ったなしの1ヶ月で、苦渋の登板を経験した上沢選手はどんなピッチングを見せてくれるでしょうか。その結果がチームの結果に直結するのは、間違いありません。
上沢選手<8回1/3 119球 打者32 安打5 本塁打2 三振7 四球2 失点・自責点2>

「今日はストライクが先行していたので調子は良かった。成瀬さんも良かったので点を与えられない展開だったのは分かっていた。今江さんへの2本目のホームランはボール球を投げるつもりが甘く入ってしまった。なんとしても今日は勝ちたかったので悔しいです。」
栗山語録

Q.先発上沢投手は9回途中2失点の好投でしたが、試合には敗れてしまいました。
「ただただ勝ちたかった。上沢も良く投げていたから。点を早く取ってあげていれば違う形になったとは思うけどね」
Q.貯金を4にして札幌に戻ります。
「本当の勝負である9月がいよいよ始まる。0から始まるつもりで、めいっぱい戦いたいね」