

広報レポート<受け継がれる魂>


引退を表明した稲葉選手が、得点のたびに立ち上がって何度も両腕を突き上げました。ベテランの鼓舞にスタメンが応え、7回を終えて4-2。勝ちパターンの継投に入るも、3番手クロッタ選手の乱調が響いての逆転負け。花道を飾りたいという強い思いが空回りしてか、結果は思惑通りとは行きませんでした。
その中で、2番に定着した中島卓選手が好調な打棒で打線をけん引しました。5回2死一、三塁で左腕・松井裕選手から右前に弾き返して先制点をたたき出せば、2-2の7回は1死二塁から左中間を破る勝ち越しの適時三塁打。「甘い球を積極的に打ちに行って、しっかり結果を残せるようになってきました」と、調子を物語るようにコメントに頼もしさが漂います。
中島卓選手にとっても同じ左打ちの稲葉選手の存在は大。一昨年まで代打を送られることが多く、ベンチに戻ると必ず稲葉選手が横に来て配球や狙い球の助言を送ってもらいました。コーチ兼任だった昨年はフォームチェックに付き合ってくれた偉大な先輩。「下半身のどっしりしたところは、見習って参考にさせてもらっています」と話します。
いつもそばに寄り添ってくれた人とプレーできるのはこの秋まで。一抹の寂しさはあるものの、中島卓選手の胸中にはもう一つの感情が沸き起こっています。「少しでも長く戦って、いい送り出し方がしたいですね」。代走や守備固め中心だったころから見守ってくれた稲葉選手と1分1秒でも多く時を共有し、不動のレギュラーとして活躍する姿を記憶に刻んでもらう。その覚悟がこの日、いっそう強くなりました。
中村選手<6回2/3 123球 打者27 安打6 三振3 四球3 失点2 自責点0>

「バックに助けられて7回途中まで投げれることが出来ました。結果オーライの部分も多く、そういった所を減らさないといけないですね。やられた所はボールが先行していたのでその辺りが反省ですね。次回は改善して投げきれるようにしたいです。」
栗山語録

Q.突き放した直後の失点で逆転負けとなってしまいましたが
「誰がということではなく信頼している人間で負けてしまうこともある。ひきずらないで次につなげていくしかない」
Q.稲葉選手の引退会見後の初めての試合でしたがベンチに与えた影響は
「みんな、稲葉さんのためという思いで、いい形で試合に臨めている」
Q.明日に向けて一言
「まずは全力でやるしかないです」