

広報レポート<「4番」の存在感>

連勝街道を走るファイターズの勢いは止まりません。2回裏、相手・坂口の適時打で先制点を許しますが、その後は武田勝選手が粘り、2失点(自責点は1)を与えながら5回を投げ切りました。3試合連続の「逆転勝ち」を収め、今季5連勝を飾りました。
試合を振り返って、満塁のチャンスを得た機会は三度ありました。3回表、無死満塁。5回表、1死満塁。共に2番・ライトでスタメン出場を果たした杉谷選手に打席が回りましたが、惜しくも両打席とも遊ゴロで好機を逸しました。5回裏終了後にロッカールームに戻った杉谷選手は「くそっ。全然ダメだ」と悔しさを露にし、汗を拭っていました。
ここ最近、チームの主役・3番、4番が機能しないときは下位打線を筆頭に他打者がチャンスを作り、チームを救っていました。しかし、今日は「不動の4番」中田選手がチームを勢いづけました。5回表、最初の満塁の好機を逸したあと、再び満塁のチャンスが訪れました。相手・伊藤捕手がインコース低目にグラブを構えると、相手投手・山崎福が投じた真っすぐは甘く入ってきました。その失投を見逃さず、中田選手は強振。思いっきり振った打球は左翼方向へ高々と上がりました。振り終わった中田選手はバットを思いっきり地面に叩き付け、納得いかないまま、走り出しました。しかし、打球はそのまま大きな弧を描き、レフトスタンドへ。「打った瞬間はレフトフライだと思った。風に乗ったね」と冗談を交えて話した中田選手は「さすがに満塁の機会を三度も逃したら、流れをもっていかれるからね」と杉谷選手の敵を討つかのように、心強い一発を披露してくれました。
投手が打ち込まれたら打者が打ち返す。今のファイターズの最大の強みはそこにあるかもしれません。状態が悪い選手、結果が出ない選手は毎試合必ず出てくるのは当然です。されど、皆でカバーするという姿勢がグラウンド上で体現できています。若手の台頭が目立つ今年のファイターズの強みは「勢い」。勢力を増すファイターズは何事も恐れることなく、走り続けます。
先発投手コメント

武田勝投手
<5回 79球 打者21 安打5 三振1 四球1 失点2 自責点1>
「なんとか最小失点で抑えられたという感じです。前回、悔しい思いをしているので、最低限の仕事だけはしようと臨みました。助けてくれた野手の皆さんには感謝しています」
栗山語録

Q.武田勝選手が今季初勝利
「(バファローズ打線は)こういう状態だからこそ、一本出れば一気にいかれる怖さある。そんな恐怖感の中でしっかりと投げてくれた。(5回で交代については)相手のチームが機能していないときこそ丁寧にいかないといけない。来週4試合しかないから、中継ぎには行ってもらった」
Q.中田選手が満塁弾を打って試合を決めました
「普通。そういうつもりで使っている。ああいうところで打ってくれるのが中田翔。普通だね」
Q.5連勝で首位固め。
「ひとつひとつ、今日できる準備をして、試合でできることをする。積み重ねていくしかない。ベテランでも新人でも関係なく、信頼して出している。そうやって前に進んでいくということ」