2015.04.12 SUN
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
R
H
1
3
0
3

広報レポート<我慢比べ制す>

中島卓選手

うまくバットに合わせて弾き返した打球は、ジャンプした遊撃手のわずかな頭上を越え、左翼手の前でポトリと落ちました。二塁走者・岡選手が本塁を駆け抜けて手を叩くのを見て、一塁ベース上でニヤリと笑ったのは中島卓選手でした。集中力と読み、そして、得意の逆方向打ち。すべての歯車が噛み合ったとき、両チーム無得点で進んだ試合の均衡が破れました。7回2死二塁。カウント1ボールから相手ベンチは変則左腕の森福選手にスイッチ。ここで中島卓選手は「追い込まれたらキツイ」と感じ、“初球打ち”にかけていたのです。真ん中低めへの1球を捕らえ、殊勲打を放ちました。

福岡出身の中島卓選手が、地元に近い熊本の地でヒーローになりました。そして、先発マウンドを託された大谷選手も、得意の地方球場で尻上がりに調子を上げていきました。初回こそ無死満塁のピンチを背負いながら、中田選手の横っ飛び好捕もあって無失点スタート。そうなれば、もうこちらのものです。2回以降は危なげないピッチングを披露し、浴びた安打は2本だけ。奪った三振は9つ。昨年の函館、旭川開催に続く、地方球場3連勝。最速158キロのストレートでスタンドをどよめかせ、いつの間にか熊本のファンを“大谷オンステージ”で魅了してみせました。開幕戦から負けなしの3連勝。ウィニングボールに「3」と書き込み、大事そうにバッグに忍び込ませました。

3位に食い込んだ昨シーズン、2度あった「1-0」の勝利はいずれも勢いに乗った9月以降に記録したものでした。今季は13試合目で“最高の我慢比べ”を制しました。ペナントレースを制した2012年以来となるリーグ10勝一番乗りでもあります。当時の16試合を上回る13試合での到達という快進撃。2週間に及んだ遠征を8勝2敗で乗り切り、最高の状態で北海道に戻ります。

先発投手コメント

先発の大谷投手

大谷投手
<7回 111球 打者26 安打2 三振9 四球3 死球1 失点・自責点0>

「立ち上がりをどう乗り切るかなんですが、きょうも1回を乗り切れたのがすべてですね。中田さんのプレーにも助けられました。2回以降は自分のピッチングができたと思います。このままチームが勝てるように応援します」

栗山語録

「翔平の課題は立ち上がりだけど、その後はよく修正したね。あそこまで投げられたら後は球数の問題だよね。別人とは言わないけど、あの打線に対して投げきれたことは良かったね。(中島卓選手の先制打に対して)どういうボールを打ったらヒットにできるか分かってきている。スチールのタイミングも上手いし、よく打ってくれた」

  1. トップ
  2. 試合情報
  3. ゲームレポート