

広報レポート<強烈な恩返し>


打球がバックスクリーン前のフェンスを越えたのを見届けた岡選手は、走りながら小さく拳を握り締めました。2点リードの6回2死一塁で放ったのは、試合を決定づける3号2ラン。ベンチで祝福を受けた後、少しは照れ笑いしながらこう話しました。「少しは成長した姿を見せられたと思います」。同点に追いついた直後の4回1死二塁では中前に勝ち越し適時打を放ち、プロ入り自己最多の3打点を記録。相手投手・野村選手へ強烈に”恩返し”する一日となりました。
野村選手は同じ岡山県倉敷市出身で、明治大学では2年先輩。当日のエースと次期エース候補として同じ部屋で過ごし、アドバイスを受け続けてきた間柄でした。当時の岡選手は投手中心にプレーしていましたが、プロに入って野手に専念することになった男は、いつか大舞台で対戦することを望んでいたに違いありません。「とにかく勝ちに貢献したかった」と話しながらも、初対決でいきなり結果を出せば「うれしい」と言葉を弾ませるのも無理からぬことです。
先発・上沢選手は尻上がりに調子を上げ、7回2失点で4勝目を挙げました。チームは3試合連続で先発がクオリティスタートを決め、今季2度目のスイープ(同一カード3連勝)を達成。5連勝でペナント争いだけではなく、交流戦での首位もガッチリとキープしました。勢いに乗って、甲子園に乗り込みます。
先発投手コメント

上沢投手
<7回 111球 打者30 安打7 三振5 死球1 四球2 失点・自責点2>
「今日に関しては、本当に「良かった」という感じですね。ホッとしたというか、投げ終わって安心しました。野手の皆さんに打ってもらい、守備でもしっかり守ってくれた。本当に助けられながら投げさせてもらっている、ということを感じた試合でした」
栗山語録

Q.広島戦3連勝しました
「全然関係ないね。いつも言うように、今日を一生懸命やることが大切だから。昨日勝っても今日がスタートだと思ってやるだけ。(広島の)野村も状態は悪くはなかったから、その中で岡が先輩からしっかり打ってくれたのは大きいね。あとは(4回表)ランナー1塁のケースで(右打ちで)賢介が示してくれることは素晴らしい。若い選手が多いなかで、ああいう風に手本になってくれることは素晴らしいね」