

広報レポート<”試合を作る”ということ>

1点を追う9回の攻撃中、大谷選手はベンチ前でのキャッチボールを始めました。同点、逆転を信じて9回裏の登板に備えるためでした。しかし、思いは届かずゲームセット。大きく息をついて、ベンチ裏に戻っていきました。7回1死二塁で浴びた一発ですべてが決した一戦。悔やまれる一本に違いはありませんが、8回2失点完投負けという結果の中でも、その能力の高さを改めて見出すことができる内容でした。
立ち上がりからストレート中心のピッチング。しかし、実際の調子は今季最悪に近いという感覚があり、”ストレートで押そう”ではなく、”ストレートで押すしかない”状況だったのです。「まっすぐをただ強く投げるだけだった」。そんな中で、走者を出しながらもスコアボードには「0」を並べ続られたのは、相手打者をしっかりと幻惑し、”ストレートで押そう”というピッチングに思わせることができたから。今季5回終了時0-0の試合が9度ある中で、大谷選手先発はこれが5度目(過去4戦4勝)。初めて土がついたとはいえ、いままでの登板を生かし、調子が悪くても試合を作るという意味では、十分な仕事ができたといえるでしょう。
エース同士の対戦となれば、どこまで粘れるかがカギを握ります。チームを勝たせることができなかったことが痛手なのは間違いありません。それでも、この試合が大谷選手にとって今後生かされるのも、また間違いありません。自身の連敗も足踏みではなく前進。ひとつずつ階段を上がりながら、残り2ヶ月でその成長を見せてくれるはずです。
先発投手コメント

大谷選手
<8回 113球 打者30 安打4/本塁打1 三振6 四球3 失点・自責点2>
「調子は良くなかったです。きょうはまっすぐをただ強く投げるだけで、ピッチングになっていませんでした」
栗山語録

Q.大谷選手とライオンズ 岸選手との差はなんですか
「相手との差とかではなくてね、競ったところで間違えちゃいけないところで間違えた。翔平にとっては悔しいと思うけど、ああいう一球が全てなので。点を取ってあげられなかったり色々あるけれども、勝たせてあげられないのは監督の責任。悔しいけど、これを大きな推進力に変えて、また明日から頑張ります」