

広報レポート<“初めて”×3=サヨナラ勝ち>


しっかりと捕らえた打球が右翼手の頭上を越えていきました。一塁ベースを回ったところで両手を広げ、二塁ベース付近でベンチから飛び出してきたチームメートに揉みくちゃにされました。終盤でもつれた試合を決めたのは陽選手。「『抜けてくれ!』と言いながら走った。すごくうれしい」。9回2死1、2塁で放った一打は、プロ11年目で初めて経験するサヨナラ打となりました。
サヨナラのシーンを高梨投手はベンチで見届けていました。同点で迎えた9回に5番手としてマウンドへ。4番打者から始まる強力ホークス打線を三者凡退に抑えたことが、チームに最後の勢いをつけたのは間違いありません。こちらはプロ初勝利。「本当にうれしい。静岡は思い出の場所になった」と興奮が収まらない表情で振り返りました。
陽選手は体を大きくしながら故障に悩んだ昨年の反省を生かし、しっかり動けるように絞って今季の開幕を迎えました。その効果はオープン戦から発揮され、好調をキープしています。怖さを増した1番打者として、チャンスメーカーとポイントゲッター両方の役割を果たしてくれそうな雰囲気を漂わせています。高梨投手は先発ローテの一角に食い込む力をつけながら、苦しい台所事情から中継ぎに一時的配置転換。どんな役割を任されても、頼れる右腕としての存在感は日増しに大きくなっています。
大谷投手が先発し、中田選手が先制1号3ラン。さらに、地元・増井投手の登板で盛り上がった静岡開催で、主役になったのは“初めて”を経験した2選手でした。そして、“初めて”ファイターズを生観戦したファンも多かったことでしょう。今季初の劇的な勝利は、3つの“初めて”が揃って導かれたものとなりました。
先発投手コメント

大谷投手
<6回 球数105 打者27 安打5 三振6 四球3 死球2 失点・自責点1>
「全体的によくなかったですね。先制してくれたんですけど、毎回ランナーを出してしまい、テンポのいいピッチングが出来ませんでした。唯一よかったところは要所で抑えられたことぐらいです」
栗山語録

Q.タフな試合を勝利で飾る
「どうしても勝たなければいけない試合だった。反省もあるけれども、勝ちきれました」
Q.大谷投手は6回1失点
「苦しみながら試合を作ったのは評価できると思う。ただ、状態は良くなかったね」
Q.中田選手が先制本塁打、陽選手がサヨナラ適時打
「二人の名前はよく出すけれども、こういう試合は二人が決めないと勝てないよね」
Q.高梨投手は嬉しいプロ初勝利
「勝ち星がついてよかった。9回の表のピッチングがサヨナラにつながった。苦しいチーム事情という事は高梨以外にも若い選手に沢山チャンスがあるという事」