

広報レポート<“束”になれるかどうか >


アイシングを施しながら、有原投手は祈るような表情で戦況を見つめていました。7回までに要した球数は87球。29人の打者を相手にして、一人当たりちょうど3球という“超省エネ投球”は、数字だけみれば思惑通りのピッチングだったといえるでしょう。しかし、積極的に打ちにきたホークス打線に、たった1イニングだけ思惑通りに攻められたことで、白星を逃してしまうことになりました。4回。先頭打者にまっすぐを左翼テラス席に運ばれた直後、3本の中前打に犠打と犠飛で逆転を許しました。この3安打はすべて伝家の宝刀・カッターを打たれてのもの。立ち上がりから狙われていたボールに、このイニングだけしっかりと対応されてしまったのです。
一方でファイターズ打線は初回に中田選手が2ランを放って先制したものの、その後は最後まで決定打が出ないままでした。打線全体が束になって全員で相手に襲い掛かれるか。少なくともその一点が、勝敗の分水嶺になったといってもいいのではないでしょうか。ホークスとの3連戦初戦は1点差黒星の悔しい結果に終わりました。7月は攻撃陣が全軍躍動し、先発投手陣が安定感をみせて白星を量産しただけに、潜在的には十分勝負になるはずです。投打の歯車が噛み合わない時期をどう乗り越えるか。いまは辛抱の時期なのかもしれません。
先発投手コメント

有原投手
<7回 球数87 打者29 安打7 三振3 四球1 失点・自責点3>
「調子はいいわけではなかったんですけど、4回はホームランの後をしっかり抑えて、ビッグイニングを作りたくなかったです。狙い定めて打ってきていたので、もう少しいいところに投げる必要があったと思います」
栗山語録

Q.4回に有原投手が捕まりました
「有原は頑張っているし、ああいうことはある。追い込んで、甘く入ることもある。ただ、ボールカウントを悪くしたことは考えないといけない。(選手全員が)疲れてるのは分かっている。なかなか攻撃を作ってあげられなかった」