広報レポート<優勝争いの中の経験>
2点差に迫られて、なおも1死満塁。4回の途中にも関わらず、栗山監督はベンチを出ました。制球に苦しむ先発・高梨投手を諦め、勝負に徹する継投策に。スタジアムに名前がコールされたのは、ルーキーの井口投手でした。中盤とはいえ、一打同点という緊迫した場面。しかも、相手は助っ人外国人が3人連続で並ぶ状況でした。緊張しないはずはありません。しかし、併殺崩れの間に1点を献上したものの、ペレス選手をニゴロに打ち取ると、続くペゲーロ選手は左飛に抑えました。追いつかれることなく、試合の流れをイーグルスに渡しませんでした。
5回からの2イニングを投げた3番手のバース投手に勝ち星がついたとはいえ、5月4日以来となるホールドを記録した井口投手の“火消し”ぶりは、勝利に大きく貢献したといえるでしょう。入団1年目ながら、ここまでチームで6番目に多い32試合に登板。プロ初勝利はまだ挙げていませんが、大事な場面を抑え続けることでチャンスは必ずめぐってくるはずです。「1試合の重みを感じられるところでやってこそ野球はうまくなる」。栗山監督が常にそう話すように、優勝争いの中で積み上げる経験が何よりも大きな財産となるに違いありません。
攻撃的2番の近藤選手が3打点を叩き出して5月13日以来となるヒーローインタビューを受ければ、3番の大谷選手は2本塁打4打点と、バットでチームに勝利を呼び込みました。首位に立った翌日。足場を固めるには、どうしても必要な白星を挙げてがっちりキープしました。
先発投手コメント
高梨投手
<3回1/3 87球 打者19 安打6〈本塁打2〉 三振4 四球2 失点・自責点4>
「野手の皆さんが援護してくれたんですけど、無様なピッチングになってしまって申し訳ない気持ちでいっぱいです。3試合連続で内容がよくないのでしっかり反省して修正していきたいと思います」
栗山語録
Q 大谷選手に2本のホームランが出ました
「必ず初回(三振)の悔しさを生かしてくれると思ってた」
Q 高梨投手を4回途中で降板させました
「シーズン通して中継ぎ、先発をやって疲れてるのを踏まえてやってあげないといけない。高梨らしくなかったから、これが救うことだと思って判断させてもらった」
Q 吉川投手がセーブを挙げました
「よかったね。前に進んでいる。吉川は1イニングを抑える資質を持ってるし、それを信じてマウンドに送っている」