

広報レポート<簡単には優勝できない>


最後の攻撃を三者凡退で終えると、選手たちは沈黙したままロッカールームへと戻りました。前日、逆転勝ちした余勢を駆って臨みたかった一戦。スコアボードに並んだ数字は屈辱的ともいえるものになりました。今季3度目の2ケタ失点による敗戦。先発マウンドを任された有原投手も、じわじわと引き離される試合をベンチから見つめるしかありませんでした。
立ち上がりの初回に3点を失って出鼻をくじかれ、なかなか修正できないまま6回途中で降板。前半戦だけで10勝を挙げた右腕も、後半戦は勝ち星がありません。6月から7月にかけて21戦で20勝したチームの快進撃を間違いなく支えた右腕が、シーズン終盤にきてもがき苦しんでいます。「先発が我慢することでチャンスがやってくる」。栗山監督が常にそう話すような展開に持ち込めず、チームを勝たせることの難しさを痛感していることでしょう。
目の前の試合に勝つことが簡単でないのであれば、143試合でもっとも勝率の高いチームになることも簡単ではありません。勝つことは難しい。しかし、その難しさを超えなければゴールは見えてこない。頂点に立った時、「あの大敗が優勝するための“良薬”だった」と振り返られるように。まずは次の試合、全力で立ち向かっていくだけです。
先発投手コメント

有原投手
<5回0/3 球数105 打者30 安打14〈本塁打1〉 三振2 四球2 失点・自責点8>
「結果がすべてなので、試合を作れず申し訳ない気持ちしかありません。高めに浮いて甘いところに入ってしまい、序盤からリズムを崩してしまいました。次に向けてしっかり練習していきたいと思います」
栗山語録

Q.有原投手の大量失点で敗戦する形となりました
「色んな原因があるとは思うけど、これを後に引きずらないように次に生かしてくれることを信じたい」
Q.中田選手が2安打と意地を見せました
「ここまで来たら、魂なんでね。魂を前面に出して戦ってもらう」
Q.残り13試合に向けて
「相手がどうこうではなく、どれだけ残り試合を勝てるか。必死にやっていく」