

広報レポート<未来へのメッセージ>


ベテラン左腕が投じた渾身のストレート3球を見つめる若い瞳がありました。「今年一年で若手を見る目が変わった。『負けられない』から、『頑張れ』になったんですよね」。この試合が現役最後の登板となった武田勝投手は、引退を決断した理由をそう話しました。先発して1アウトを取って交代。そこから今季のほとんどを一緒に過ごした選手たちを見つめる立場に変わりました。
順位が確定し、ファームから多くの選手が昇格。今季最後のチャンスを与えられた若手が、しっかりと躍動してみせたのです。2点をリードした2回、渡邉選手が右翼席へプロ1号。「勝さんに打たせてもらった」と話せば、清水選手がプロ初安打を含む2安打を放ちました。投手陣ではルーキー上原投手、2年目の石川直投手がプロ初登板。しかも、2点差の場面での登場で、ホールドも記録しました。それぞれが最終戦で必死にアピールしてみせたのです。
「鎌ヶ谷で頑張ってきたことを出す場所。それがみんな出ていた」。引退セレモニーを終えた武田勝投手は、そう話して目を細めました。ファイターズを背負ってきた男から、これから背負う男たちへ。“メッセージ”は確かに伝わったに違いありません。
先発投手コメント

武田勝投手
「泣くつもりはなかったんですけど、ファンの皆さんの声援が耳に入ってきて我慢できませんでした。フォアボールだけ避けようと真っすぐで行こうと思っていました。自分の納得いくまま、体が動くままに、口約通り120km/h以上出せたので満足しています。後輩にも恵まれ、お世話になった方々、応援してくれたファンの皆様に感謝の気持ちを伝えたいです」
栗山語録

Q.増井投手が2桁勝利
「よかったね。本当に素晴らしいシーズンだった」
Q.初登板(上原、石川直投手)、初ヒット(清水選手)、初本塁打(渡邉選手)と初ものづくしでした
「こういう試合が1試合しかなくて、何を見せるかが大事。色んなメッセージを送ってくれたので楽しみ」
Q.武田勝投手が引退
「本当に感謝しかない。いつかは引退するもので、ベストの判断だったと何年かしてから感じてくれれば嬉しい。それに、あそこ(ユーモアあるセレモニー)らへんはさすが」
Q.レギュラーシーズンを総括して
「振り返ってみれば最高のシーズン。でもポストシーズンを勝たないとそうじゃなくなる。必ず日本一になります。ただそれだけです」