

広報レポート<逃げても、勝負しても>


打線は僅か6安打。それでも1勝を手にしたという事実は投打が噛み合っていなかったチームが浮上するきっかけになることは間違いありません。
1点ビハインドの8回2死二塁、3番に座る大谷選手には捕手が座ったまま敬遠気味の四球。カープバッテリーは4番中田選手との勝負を選択しました。マウンドには日本シリーズ初戦で三振に抑え込まれたジャクソン投手、3球目に投じたスライダーを意地の一振りでレフト前に運びます。カープの外野陣は長打警戒、1点はやむなしという深めのシフト、前進する左翼手のぎりぎり前に落ちる逆転タイムリーでファイターズに日本シリーズ初となるタイムリーヒットをもたらしました。
同点で迎えた延長10回は2死一塁で再び打席には大谷選手。俊足西川選手が3球目に盗塁を決め2死二塁カウント1ボール2ストライク。先ほどの打席と同じく1塁が空いた状況を作り出しましたが、今度は勝負を選択。するとその直後、ボール気味のストレートを振りぬくと、打球は内野手の間を抜けるサヨナラタイムリー。劇的な日本シリーズ初勝利をもたらしました。
ただ、今宵のヒーローはお立ち台で「投手陣が粘っていたからこういう形になった」と語ります。先発有原投手は2回にエルドレッド選手に被弾し早々に2失点。それでも7回をこの2失点のみ抑える粘りのピッチングでサヨナラ勝利を呼び込むお膳立てとなりました。
最後まで諦めないファイターズらしい野球でサヨナラ勝利。この勢いのままに、まずは2勝2敗のタイに持ち込みたいところです。
先発投手コメント

有原投手
<7回 球数104 打者27 安打4〈本塁打1〉 三振4 四球2 失点・自責点2>
「エルドレッドには警戒してる中で打たれてしまったので、悔いが残ります。1点先にもらってましたし、何が何でもゼロで抑えないといけなかったと思いますね。チームが逆転してくれることを信じてしっかり応援したいと思います」
栗山語録

Q.先発・有原投手は7回2失点
「今年のカープを見ていると、点を取られた後にすぐ取れている。ただ、きょうはその前半の点よりも、どっちが次の1点を取るかという展開でよく粘った。苦しみながら経験したことが生きているなと」
Q.8回に一旦は逆転
「うちらしさが少しずつ出始めている。なかなか形にはならないけど。結果的に勝てて、落ち着いていけるかな」
Q.次の試合に向けて
「勝ちの流れがつかめないシリーズ。焦りやイライラが出てくるのが怖かった。きょう勝ったのは大きいし、勝ち負け以上に自分の野球ができたのは良かった」