

広報レポート<昨年できたことは今年もできるはず>


1点を追う9回。守護神を相手に逆転劇、いや、見せ場を作ることさえ下位打線に期待するのは酷だったのでしょうか。三者連続三振。全員が3球目までに追い込まれて最後は空振りと、赤子の手をひねられるような形で最終回の攻撃は終わり、敵地での同一カード3連敗を喫する結果となりました。投手陣が好投すれば打線が援護できない。今季の苦戦を象徴する一戦だったことは間違いありません。
たとえ目立たなくても、ひとつひとつのプレーの積み重ねが勝敗に直結していく。数字や記録に現れない部分でさえ勝敗を決するものであるとすれば、数字や記録に現れる部分は、より大きくのしかかってきます。
例えば5回の攻撃。無死二塁での送りバント失敗がありました。昨シーズンは187回の犠打を試み、走者を次の塁に進めることができなかったのは9回だけ。実に9割5分を超える成功率を誇りました。これが今年は75回試みて、すでに12回の失敗があります(成功率は8割4分)。例えば8回1死一塁の守備。内野ゴロを難しい体勢で捕球した後、二塁に悪送球してピンチを広げました。リリーフ陣の踏ん張りで無失点に抑えたものの、これで今季の失策は70試合で52個目。昨シーズン全体での65個という数字に迫っています。
経験の浅い若い選手の台頭は、ある種の“エクスキューズ”にはなるかもしれません。しかし、昨年はできたことを今年はできなくなっている。純然たる事実として受け止める必要はあるでしょう。確かにシーズンはまだ折り返し地点にも達していません。「そのうち上向くだろう」。そう構えている間に、あっという間に終盤はやってきます。何も難しいことを求められているわけではなく、昨年できたこと、そして今年もできるはずのことをやり続ける。きっかけはそこから生まれてくるはずです。
先発投手コメント

メンドーサ投手
<5回 103球 打者23 安打4 三振1 四球3 死球1 失点・自責点1>
「調子は悪くなかったけど、ファウルで粘られて球数が増えてしまった。結果的に長いイニングを投げられなかったことが残念。先発としてはもう少し長く投げないといけない。十分逆転できる点差だから、精一杯応援するよ」
栗山語録
Q.メンドーサ投手は1失点ながら5回で交代
「球数を多く投げるより、こういう方がいいと思った。集中力があった。(初回の失点は)不運だけど、これも野球だから」
Q.打開策がなかなか見つからない
「できることはまだまだあるはず。しっかり練習して、一生懸命やるしかない」