

広報レポート<「気配」はいつの間にか>


先頭打者の西川選手がプレーボール直後に右前打で出塁しました。ノリに乗っている次打者の松本選手にバントのサインは出ませんでした。西川選手の盗塁は失敗に終わったとはいえ、序盤から大量点を狙う攻めの姿勢が、そこにはありました。前日まで2試合連続2ケタ安打と復調気配を見せていた打線、そして、序盤に失点が続く先発陣。試合を優位に進めるための一番の近道は、初回に畳み掛けること。もしくは、序盤に失点しないこと。成功すれば流れに乗れるでしょう。それだけ大事な初回の攻防でした。
しかし、いまのファイターズには流れを一気に引き寄せるだけの勢いはありませんでした。初回の先制チャンスを逃すと、直後にプロ初先発の白村選手が被弾し、劣勢からのスタート。2回も2死から連打で一、二塁としたものの得点を奪えませんでした。3回1死一塁から20人連続でアウトに。「気配」はいつの間にか、沈黙に姿を変えていました。打率・出塁率が上がってこない選手たちをラインナップに入れざるを得ない状況では、“つなぐ野球”に攻撃陣全体が意識を集中させ、実践するのは難しい。どうしても後手後手に回る試合運びを強いられることになります。
シーズンの60%を消化した現在、昨シーズンと同等かそれ以上の結果を残している選手は、投打ともに数えるほどしか存在しません。全員が一気に上向くほど甘くないと考えれば、個々が少しずつでも早く近づけられるかどうかが、今後の戦い方を左右するのは間違いない。「気配」を「堅調」に。いまはひたすら待つしかないのかもしれません。
先発投手コメント

白村投手
<4回 73球 打者16 安打3〈本塁打1〉 三振4 四球1 失点・自責点3>
「試合前まではずっと緊張していたんですけど、試合に入ってからは投げることに集中していました。ただ、立ち上がりに失点してしまい最初に良い流れを作れなかったので申し訳なかったです。まだまだ課題はありますけど、第一歩を踏み出すことができたと思うので、これから良いピッチングができるように練習していきたいです」
栗山語録

Q.白村投手がプロ初めての先発登板となりました
「勿体無い部分もあったけど、可能性は十分にある。打たれている球が同じ球なんだけど、それは緊張とか初めてという関係もある。徐々に進めばいい」