

広報レポート<黙々と、ただ黙々と>


3連打を浴びて1点追加を許した8回1死一、二塁。それ以上の失点は許されない場面で、有原投手の意地と執念が垣間見えました。連続三振。最後の攻撃に望みを託しました。ベンチに戻ると、戦況を見つめながら声を出し続けました。逆転は叶わず敗戦投手に。それでも、誰にもマウンドを譲ることはありませんでした。今季3度目の完投負け。聞こえは良くないかもしれませんが、最後まで試合を壊さないからこそ可能な記録です。経験の浅い選手が先発起用される中、ローテから外れることなく投げ続ける唯一の存在となっています。
三者凡退は4回の1イニングだけでした。12安打を浴びながら、7回までの失点は2本のソロ本塁打と適時失策でのもの。黙々と投げ続け、ゴロアウトの山を重ねる。一発を食らった一瞬を除き、持ち味を発揮するピッチングでした。何よりも大きかったのは無四球だったこと。“大けが”につながりにくく、球数も増えない。内容的には決して悲観するようなものではなかったはずです。
ただ、「チームを勝たせる」ところまでは達していなかったのも事実ではあります。今季16試合の先発で、立ち上がり3イニングを無失点に抑えているのは2試合だけ。攻撃陣が低調で援護点がなかなか見込めなくても、先発が3イニング無失点スタートの試合は最近18試合で17勝1敗(8連勝中)と、「何が勝ちに結びつくのか」は、はっきり見えています。黙々と投げ続ける中で収穫と課題が見つかったはず。今後につながる1試合になることを願うばかりです。
先発投手コメント

有原投手
<8回 109球 打者34 安打12〈本塁打2〉 三振5 四球0 失点4 自責点3>
「先に失点してしまったことと同じバッターに打たれてしまったことが反省です。これからも対戦するバッターなので、攻め方を含めて修正していきたい。あとは、最後の失点を抑えられれば流れが変わっていたかもしれないので最少失点で切り抜けないといけませんでした」
栗山語録

Q.有原投手が8回を投げ切りました
「細かいところは修正していかないといけない。先制点を与えてはいけないのもそうなんだけど、反省を含めてこういうものがプラスになっていくことを信じてやるだけ」
Q.中田選手に2つの失策がつきました
「いい動きはしている。ゲッツーも翔じゃないと取れないだろうし、何とかしようという気持ちが出過ぎることもある。(打撃に関して)負ければ翔に行くんだよ。それは仕方ない。翔がやられれば負けるし、そういうもの」