

広報レポート<攻めるピッチングとは>


何かが吹っ切れたような投げっぷりでした。2回2死で浴びた右越え二塁打以降、6回でマウンドを降りるまで被安打は1本もありませんでした。立ち上がりに失敗した反省を、試合の中でも活かす。先発マウンドを託された上原投手にとっては、経験値を大きく得ることのできる一戦となったに違いありません。
早いカウントではストレートで押しまくり、打者の脳裏に変化球の存在を一際クローズアップさせる。そんなピッチングで打者との一打席勝負における主導権を握りました。ただ、それはあくまでも切り替えてからのものでした。変化球主体だった初回。先頭打者に内野安打を許すと、2ランとソロの2本を浴びて3点を献上しました。「『ここから』というところで波に乗れなかった」。序盤の失点をなかなか跳ね返せない試合展開が続いていることは、誰もが痛感しているはず。6回に中田選手の2ランで1点差に迫りましたが、合計13安打で得点はそれだけとなれば、やはり初回の3失点は大きな影響を与えるものとなります。
1試合の中でもリズムや流れが変わるため、すんなり長いイニングを投げられない難しさはあります。何が悪く、どう修正し、克服していったのか。プラス材料があれば、それを最初から披露するにはどうすればいいか。いま場数を踏んでいるのは、この先、チームの戦力になるためです。この日の“攻めるピッチング”が、上原投手に何かをもたしてくれることでしょう。
先発投手コメント

上原投手
<6回 103球 打者26 安打5〈本塁打2〉 三振5 四球4 失点・自責点3>
「初回、試合が始まって『ここから』というところで打たれて、波に乗っていけなかった。すぐに苦しい投球になってしまいました。ただ、そのあと逃げずにとことん真っ直ぐでカウントを作るピッチングに切り替えてからは、まとまってきたと思います。そういうピッチングが最初からできるようにしないといけない。次への課題にしたい思います」
栗山語録
Q.上原投手は初回だけ失点
「粘りはあったけど入り方がね。難しいけど、これが活きるように。あの後しっかりと抑えたことには意味がある」
Q.中田選手が2ラン
「(出場できなかった)この時間をうまく使って欲しいと言ってきた。自分の中で整理できればいいと思う」
Q.堀投手が好リリーフ
「クリーンアップ相手でも落ち着いていた。楽しみだね」