試合情報

ファイターズの次代を担っていきそうな力がシンクロしました。ジリジリとしたせめぎ合いの我慢比べを、要所で投打が機能して制しました。若い力が弾け、もぎ取った1勝。結果以上の付加価値は、十分にありました。三塁側ベンチ裏の熱狂が、それを証明していました。ヒーローインタビューは、ルーキー石井一選手。今後へ向けて「やっていく自信はあります」と、力強く言い切りました。

少しずつ、ZOZOマリンの所在地である幕張の浜風も涼しくなってきました。同じ千葉県内、鎌ケ谷市にファイターズのファーム施設があります。この日、2軍の本隊は茨城遠征中。鎌ケ谷スタジアムでの残留練習には、ベテランが勢ぞろいしていました。武田久投手、飯山選手、矢野選手に、故障などでのリハビリ組。逆に千葉ロッテマリーンズの敵地では、若手ばかりがスタメンに名を連ねました。

プロ初先発した石川直投手が5回を2失点とまずまずの内容。未来へと、希望の光をともしました。粗削りながら、高い才能の一端を披露したと思います。ファームで調整中には「まだまだです」とシーズン途中での中継ぎからの配置転換に、不安の色を見せていました。再スタートのパフォーマンスで適応できそうな可能性を見せ、それを一掃しました。

もう1人も、魅了しました。7回には石井一選手が、決勝の3ランを放ちました。「ヨッシャ」と小さく叫びながら三塁側ベンチ前のハイタッチの列へと飛び込んできました。開幕1軍に抜てきされながらも一時、再調整で2軍落ち。自分と向き合う時間を経て、本来の期待されている姿を取り戻したように見えました。

チーム状況もあり、方向転換の気配を見せる1、2軍メンバー。強烈なラストスパートを見せた昨シーズンとはまた趣の違う、1年の終盤戦を迎えています。化学変化を起こしながら、最後の最後まで全力で勝負します。苦しいシーズンを振り返った時に、今後への財産として何を残せるのか。実りの秋へ――。例年通り、栗山監督は手綱を緩めることなくグラウンドを、強い信念で彩り続けます。

石川直投手
＜5回　93球　打者24　安打6　三振3　四球3　失点・自責2＞

「毎回、ピンチばかりでしたけれど最低限は粘れたと思います。直球が良かったです。反省は、もう少しテンポ良く投げられたらとは思いました。今後、この経験を生かしていきたいです」

Q.石川直投手はプロ初先発で5回2失点
「頑張ったね。（多い）球数を一軍で投げると違うし、増えてくるといろいろなことが出てくる。それでも、90球よく投げた。いいものを持っている。先発十分できる。楽しみ」

Q.石井一選手が決勝弾
「（一軍に）帰ってきてから“らしさ”が出ている。こういう感じになって欲しかった。がむしゃらにやっているしね」

Q.途中出場の太田選手も攻守でアピール
「きょう良かったね。あの（守備での）プレーから、あのヒット。ああいうのをこっちは待ってるんでね」