

広報レポート<記念弾に見た希望の光>


少し悲しいゲームセットでした。今シーズンの東京ドームでの最終戦。大量失点が響き、敗れました。3万9000人超が、平日にも関わらず詰め掛けてくれた一戦でした。熱心に声援を送ってくれた右翼席のファンの皆様への挨拶で感謝の気持ちを精一杯、伝えました。
1つの快音でヒートアップしました。3回です。太田選手が、活気を呼び込みました。大量4点を先行された、その裏でした。先頭で打席に入り、右翼席へプロ初本塁打の1号ソロ。中田選手、大谷投手らから祝福を浴びていました。本人も、本当に興奮していました。「うれしいです」の後、なかなか言葉をつなげませんでした。反攻ムードを演出しました。
2014年のドラフト8位で、川越工高から入団しました。下位指名ながら、ファームで力を蓄えて7月にプロ入り初の1軍昇格。担当の今成スカウトが、同地区のライバル球団のスカウトに注目されないように慎重を期して発掘した隠し玉です。入団当初は守備力が高く評価されていましたが、木田GM補佐は節目の1発を目にして、こう言いました。「守備よりも、バッティングの方が急激に伸びた」。進化を証明しました。
同じ年のドラフト1位で、東北楽天ゴールデンイーグルスに入団したのが、記念のプロ初アーチを放った安樂投手です。同投手のように脚光を浴びることはありませんでしたが、太田選手はこの日に限っては、勝ちました。何かの運命だと、感じてしまいました。対照的な形でプロの道へと進んだ同い年の右腕への反骨心は、少なからずあったでしょう。
スカウティングと育成。ファイターズのチーム編成、強化方針の2本柱です。太田選手はまずこの夜、それを体現してくれました。ここから、いかに正真正銘の力をつけていくのか。今後の成長のカギになります。チームとしては、いかに同じような芽を伸ばし、戦力へと供給していくのかがポイントです。太田選手に、希望の光を見ました。
先発投手コメント

有原投手
<5回2/3 104球 打者28 安打11 三振2 四球1 失点・自責6>
「今日は、何も言うことはありません」
栗山語録

Q.有原投手は好調に見えたが
「結果として、という感じだよね。本人も悔しかっただろうし、何とかできるようにこちらもやっていきます」
Q.打線は反撃ムードをつくった
「心の中で『あきらめない』で、つながっていく。それは、いつもできること。そういうつながりは感じられた」
Q.太田選手がプロ初本塁打
「良かったよね。若い二遊間が前に進んでいる感じがする。それが、勝ちにつながっていくようにしないといけない」