

広報レポート<強さの再現>


ヒーローインタビューに臨んだ加藤投手の表情は、歓喜というよりも安堵という表現がぴったりくるようなものでした。息詰まる投手戦を制したのだから、それも無理はありません。初回を三者凡退でスタートすると、2回に無死一、三塁のピンチを背負いますが、無失点に切り抜けたことで波に乗りました。8回1死一、二塁でマーティン選手にバトンを託すまで3安打無失点。後を受けたマーティン、増井の両投手による“勝利の方程式”に、しっかりと守ってもらった形になりました。「最後までいければよかったんですが」と振り返る左腕ですが、6勝目を手にして「ほっとしました」と胸をなで下ろしました。
虎の子の1点は、レアード選手のバットから生み出されたものでした。4回2死。完ぺきに捕らえた打球は、大きな弧を描いて左翼スタンドへ消えていきました。30号ソロ。外国人選手としては、トニー・ソレイタ(1980~83年)、マット・ウインタース(1990~93年)以来、球団史上3人目となる3年連続30本塁打を記録です。米国から観戦に訪れていた家族の前でのマイルストーン達成に「家族もそうだけど、監督、コーチ、チームのみんなに感謝したい」と、うれしそうに話しました。
あれからほぼ1年が経とうとしていました。2016年9月28日。今後もファイターズの歴史を語る上で欠かせない一戦が、当地で行われました。この日の試合と同様にレアード選手がソロ本塁打を放ち、先発した大谷投手が1安打完封。1-0で勝利し、リーグ優勝を決定した試合です。たしかに、今季は苦戦の連続で連覇の夢は潰えました。それでも、1年前の強さを再現するような戦いは、ファイターズの未来につながるはず。そう確信させるものがあった、今季初の1-0勝利でした。
先発投手コメント

加藤投手
<7回1/3 118球 打者29 安打3 三振7 四球4 失点・自責0>
「不甲斐ないピッチングが続いてチームに迷惑をかけていたので、きょうみたいな試合を続けられるように頑張りたいと思います。清水の配球や野手の皆さんが守ってくれたのでテンポよく投げることができました」
栗山語録

Q.1対0の接戦を勝ちきりました
「加藤がよく投げてくれた。完封できるチャンスはあったんだけどね。(投球の)フォームもバランスもよかったし、本当によく頑張った」
Q.レアード選手が3年連続30本塁打を記録しました
「バッティングの調子は悪いんだけどね。打ち方を知っている。打率が悪くてオレのところによく謝りに来るけど、レアードにとってこのような結果が出たことはよかった」