広報レポート<偉大な選手から学ぶもの>
千葉ロッテマリーンズ・井口資仁選手の引退試合が行われたZOZOマリンスタジアム。最後の打席だと思われる最終回・井口選手の打席は「井口」コールに包まれました。球場のボルテージは最高潮に達していました。目の前で放たれた同点弾。その光景を見ていた選手・スタッフは「ただ、凄すぎる」と脱帽するしかありませんでした。
メモリアルな試合に登板した高梨投手は降板後、井口選手からサイン入りのバットを受け取りました。「井口選手の引退試合に投げさせてもらい、とても光栄です」。異様な空気に包まれた試合での登板は普段とは一変、違う緊張感があったはずです。それでも、自分の仕事に徹した高梨投手は勝ち投手にはならなかったものの、7回1失点の好投。試合を作って見せました。
今季マリーンズとの対戦成績は2勝0敗。防御率1.35と相性の良さがデータとして残っていました。「得意球で勝負できました」とノビのある真っすぐと縦に落ちるフォークで相手打線を翻弄。一軍に再合流した8月23日(ほっと神戸)から登板した全4試合でクオリティ・スタート(6イニング以上を投げ、3自責点以内)を記録。この日も球場の雰囲気に呑まれず堂々と投げ込みました。
人生で偉大な選手の引退試合に何度巡り合うことができるのでしょうか。敵チームの選手とはいえ、その姿は大きく映ったはずです。いつかは誰もが引退を迫られる野球人生。野球界に何を残せたのか。盛大な引退セレモニーが執り行なわれた理由として、それは成績だけが理由ではないはずです。一人の人間として影響力の大きかった選手。そこは誰もが目指さなければいけないところなのかもしれません。
先発投手コメント
高梨投手
<7回 109球 打者27 安打5〈本塁打1〉 三振2 四球2 失点・自責1>
「まずは井口選手の引退試合で投げさせてもらいとても光栄です。序盤はテンポがよくなかったんですけど、なんとか粘って7回まで投げられたと思います。全体的に得意球で勝負できました。あとは野手の方が逆転してくれたので感謝したいです」
栗山語録
Q.マリーンズ・井口選手に9回同点弾
「一発でしとめるとか、技術を長年積み上げてきたところを学んでいかないといけない。もちろん、抑えないといけないんだけど」
Q.高梨投手は7回1失点
「よく粘った。勝たせてあげたかったよね」