

ゲームレポート



息詰まる投手戦に決着をつけたのは、やはりこの男でした。万波中正選手がプロ野球史上2人目、パ・リーグでは初となる先頭打者弾とサヨナラ弾を同一試合でマークし、チームを勝利に導きました。
今季ワーストとなる7試合本塁打なしのファイターズ打線。火をつけたのはホームラン王争いを繰り広げる若き大砲のバットでした。タイトル獲得を見据え、7試合連続で1番に座った万波選手。初回の第1打席、自身初となる先頭打者本塁打をライトスタンドに運びます。シーズン中盤まではホームランキングを独走するも、後半戦に入りペースダウンし、初のタイトル獲得へ足踏みが続いていました。それでも、うっぷんを晴らす15試合ぶりの一発で先制点を奪います。
それ以降は両チームの投手陣が好投し、ロースコアの展開で勝負は終盤へ。1対1で迎えた9回裏、試合を決定づけたのは、またしても万波選手のバットでした。初回の本塁打とは対照的に、豪快に振り抜いた当たりはレフトスタンド2階席に飛び込む特大の決勝2ラン。価値ある2本の本塁打で、本塁打王トップと2差に迫りました。
勝利を呼び込んだのは、我慢の展開をしのいだ投手陣の好投でした。先発の加藤貴之投手は、初回からストライク先行の投球で今季最多の8奪三振。「後半戦で一番の投球」と納得の内容で、7回を1失点に抑えました。同点の展開で1点も与えられない中、加藤投手の後を継いだ池田隆英投手、河野竜生投手も三者凡退に切ってとりました。今季、ファイターズのブルペンに欠かせなくなった二人のセットアッパーが今日もマウンド上で頼もしく相手打線を封じました。河野投手は直後のサヨナラ打で勝ち星が舞い込み、2年ぶりの勝利投手となりました。
先発投手コメント

加藤貴投手
<7回 99球 打者26 安打5 三振8 四死球0 失点・自責点1>
「後半戦に入り1番良いピッチングができたと思います。残り試合は少なくなってきましたが、1試合でも多く良いピッチングをしたいと思います。この後チームが勝てるように一生懸命応援します」
新庄語録

「五十幡君のあのヒットが万波君を燃えさせたというか、あれがチームワーク。打線になりましたね。加藤君もいいピッチングで素晴らしかったですね」
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