木製バットの原材料として使用される樹種、『アオダモ』の植樹イベントが8月7日(月)、北海道栗山町の「栗の樹ファーム」で行われ、北海道日本ハムファイターズから稲葉篤紀GM兼SCO(スポーツ・コミュニティ・オフィサー)が参加しました。NPO法人「アオダモ資源育成の会北海道評議会」が主催したもので、栗山高校女子硬式野球部や地元少年野球チームの栗山ロッキーズと継立ロビンス、栗山ロータリークラブなどから約120名が参加してアオダモの苗木100本を植えました。
栗の樹ファームでの植樹活動は2014年に始まり、新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年から2年間の中止をはさんで今回が8回目の開催となりました。栗山町在住で「栗の樹ファーム」を所有する栗山英樹プロフェッサーは、夏の甲子園始球式登板などの所用により不在でしたが、稲葉GM兼SCOが参加者にサプライズで初参加。前日までの雨は上がり、野球少年たちと少年野球場の右翼ポールからバックネット方向にかけて高さ1メートルほどに育った苗木を植えていきました。作業を終えた後、右翼に記念標柱を立て、参加した3チームへ稲葉GM兼SCOからノック用バットが贈られました。
バット用材として最良とされるアオダモは、主に北海道の自然林に分布していますが、かつては伐採が計画的に行われていなかったため、将来的に資源が枯渇する恐れがあります。そこで、材木の安定供給を目的とした「アオダモ資源育成の会」が2000年に発足。ファイターズはアマチュア各団体などとともに同会の北海道評議会を構成しており、毎年定期的に植林することでバット素材の安定確保を目指して活動を展開しています。アオダモがバットに活用される60年から70年もの長い年月を要しますが、栗山プロフェッサーがエゾシカなどによる食害を防ぐためのネットを木に巻き、下草刈りを日頃から行っていることで、2014年に植えたアオダモは人の背丈ほどまで成長しています。
今年は栗山プロフェッサーが監督を務めたWBCで侍ジャパンが優勝、創部1年目の栗山高校女子硬式野球部が全国高校選手権で1勝を挙げました。稲葉GM兼SCOは「きょう訪れてみて栗山町の野球熱の高さを改めて感じました。こうした取り組みを続けていくことで、次の世代につないでいくことが大切」と話していました。