本日9月25日(水)、今シーズン限りでの現役引退を表明していた鍵谷陽平投手の引退会見と引退セレモニーを実施しました。
試合前に引退会見を行った鍵谷投手は、12年間のプロ野球人生を「夢のような時間だった」と振り返りました。
鍵谷投手は北海道七飯町出身の道産子選手。北海高校から中央大学に進学し、2012年ドラフト3位で北海道日本ハムファイターズに入団しました。「僕みたいな野球選手が七飯町から出てきて、高校は札幌で過ごし、東京で大学を過ごして、まさかファイターズ、地元の球団に取っていただけるとも思っていなかったですし、これだけ試合に投げられるとも思っていなかった」と笑顔で自身の野球人生を振り返りました。リリーバーとして活躍し、2016年には48試合に登板。北海道日本ハムファイターズ10年ぶりの日本一に貢献しました。心に残っているシーンを問われると16年の日本一を挙げ、「こういうスポーツをやっている中で、やっぱり全部勝ちを目指して、優勝を目指してやっている。初めて日本一になれたっていうのはうれしかったですし、何よりもやっぱり楽しかった」と話しました。花束贈呈には同じ北海道出身で、アマチュア時代からしのぎを削った伏見寅威選手(東海大四高)と北山進サブマネージャー(駒大苫小牧高)が登場し、球友をねぎらいました。「本当にたくさんの指導者の方に恵まれ、仲間に恵まれ、ここまで来られたと思うので、感謝の気持ちでいっぱいです」と感謝の思いを胸に、エスコンフィールドで最後のマウンドに立ちます。
現役ラストゲームは、先発でのマウンドになりました。CS進出へ負けられない戦いが続く、ファイターズ対イーグルスの試合。「正直な感想を言うと戸惑いの方が大きかったが、僕のプロ野球生活12年間、行けと言われたところで行くのが仕事。行けと言われたからには、仕事を全うしたい」と真剣勝負のマウンドに上がりました。任された打者は二人。先頭を二ゴロ、続く打者には粘られながらも遊直。魂の9球を投げ込み最後の仕事を全うすると、新庄剛志監督が花束を持ってマウンドに歩み寄り、交代を告げました。エスコンフィールドでの公式戦は、最初で最後の登板。「エスコンフィールドのマウンドは、とても気持ちよかったです。野球人生を最高の形で終えることができました」と安堵の表情でマウンドを降りると、スタンドからは万感の拍手が送られました。
試合後に行われた引退セレモニーでは、鍵谷投手にゆかりのある人からメッセージが寄せられました。スピーチでは「苦しいことの方が多かったが、振り返ると楽しかった。本当に幸せな時間だった」とスッキリした表情で話しました。「仲間と家族の存在があったからここまでこられた。ファンの拍手と応援が本当に力になった」と支えてくれた人たちに感謝。多くのファンから愛された鍵谷投手が、惜しまれながらもプロ野球人生にピリオドを打ちました。