2008.04.18 FRI
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
1
1
X
R
H
1
3
3
6

■広報レポート <その投球スタイルが環境を守る>

お立ち台でガッポーズの投打のヒーロー
梨田監督と手を合わせるダルビッシュ投手

 試合時間マイナス6%でCo2の削減を目指す、NPBの「グリーンベースボールプロジェクト」。このキャンペーンに最も貢献する選手は、間違いなくダルビッシュをおいて他にいないだろう。3安打完投で自責点ゼロの4勝目。前回登板の2時間8分に及ばないまでも、今日の試合時間も2時間18分。今よりもCo2排出量のずっと少ない、試合時間が3時間もなかった40年前のプロ野球並みだ。お立ち台で堂々のダルビッシュを見つめながら腕時計にちらと目をやると、「8時半の男」で有名な宮田正典投手の出番にもまだ早かった。

 ダルビッシュ本人は当然、試合時間の短縮を極端に意識して投げているわけではない。しかし、自分の投球数を極力抑えることで完投を目指し、リリーフ陣に少しでも休息を取ってもらいたいとの気持ちは強い。選手ロッカーへの通路横に広報の部屋があるが、イニングの合間にシャツを着替えにきたダルビッシュが、7回表終了時に立ち寄り「僕の球数、今どのくらいですか?」と尋ねてきた。まだ少ないことを告げるとホッとした表情を見せ、しばらくファイターズの攻撃をテレビで見つめ気合を入れなおした。打線の援護を信じ、辛抱強くそれを待っているようだった。

 直後、スレッジの打球が角度よくライトスタンドへ向っていくと、ダルビッシュは珍しく雄叫びを上げた。「いったぞ!」滅多に出さない笑顔と共に、駆け足でダッグアウトに戻っていくその姿は、大人びたマウンド度胸とは全く違う、あどけない21歳そのものだ。彼のチームメイトへの信頼は厚い。ダルビッシュを評するとき、多くの者が彼の成長ぶりを口にする。自分の記録はさておき、とにかくチームの勝利を優先するダルビッシュの言動は、特に今年に入ってから目立つようになった。同時に自分自身でも、心身共に何か新たな手ごたえを感じているシーズンとなっているようだ。「試合の中でも、自分の投球でどこを修正すればうまくいくのか、わかってきた気がするんです。」若さゆえ当然、まだ完璧とはいかない。しかし、ダルビッシュは野球選手としての凄さは勿論のこと、人をいたわったり、全員で戦うという野球の本質を理解しはじめているところが彼の本当の凄を生んでいるのではなかろうか。

 一人、一人の意識が、環境問題を改善する上で一番大切なことだといわれている。チームメイトを信じ、思いやりを持ってマウンドに上がる…ダルビッシュの行動はエコ活動そのものだ。現代に一番必要とされているタイプの彼は、フィールドの上でこれからもCo2削減にさりげなく貢献していくだろう。

■ダルビッシュ投手 <9回、球数103、打者30、安打3、三振10、四球0、失点1、自責0>

スタンドにボールを投げ込むダルビッシュ投手

「スレッジが難しい球をホームランにしてくれて、その時に勝てると思いました。エース級相手の試合が続いていますが、エース級に勝つのが僕の仕事。あすはデーゲームですし早く帰ったほうがいいので球数も少ないほうがいいと思いました。」

■梨田語録

試合前に挨拶を交わす両監督

「Fダルビッシュ・H杉内両エースの投げ合いが予想された試合で、先に点を与えてはいけない緊迫感の中、初回にエラーがらみで先制点を与えてしまい、序盤は本当に苦しい展開になってしまいましたね。とにかく早く点を取って、ダルビッシュを楽にしてあげたかったけれども、3回2死から稲葉が良く打ってくれました!!さすが3番!!ファイターズのポイントゲッターですね!!今日はもう同点になった時点で勝てると確信しました。それだけダルビッシュの内容が良かったですからね!7回スレッジの勝ち越しホームラン、8回にはダメ押し点と理想的な試合展開で、久々にファイターズファンの皆さんにも喜んでいただけたのではないのでしょうか!ファンの皆さんも同様だと思いますが、エースダルビッシュが投げるときは本当に負ける気がしないね!!ただ今日せっかく良い勝ち方をしても、明日、明後日と勝たなければ意味がないからね!明日も気持ちを引き締めて試合に臨みますよ!!」

  1. トップ
  2. 試合情報
  3. ゲームレポート