2008.04.20 SUN
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■広報レポート <優しいだけじゃない>

ベンチを引き上げるジョーンズ選手

 ホークス先発・和田の前に、ファイターズ打線は7回まで沈黙。チャンスらしいチャンスもないまま、完封負けも脳裏をかすめ始めた。試合中にテレビから流れた和田のコメントは、「普通に投げればファイターズは打ち取れる。」聞いたか、聞かずか、その直後に田中賢介、稲葉が連続ホームランで意地をみせ、何とか一矢報いた。敗れはしたが、簡単に引き下がらないのがファイターズの戦いといっていい。

 試合終了後、不振のミッチ・ジョーンズが2軍降格を言い渡された。4月11日の一軍登録以来、残した打率は.111彼にかかる期待が大きかっただけに、ファーム行きも致し方ないのかもしれない。梨田監督からは、「もう一度、鎌ケ谷でやってきてほしい。長距離砲が少ないチーム事情。まだチャンスはあるし応援している。気持ちを強く持って戦ってきてくれ。」との言葉をもらった。大きくうなずき握手を交わしたものの、さすがにジョーンズは落胆の表情を見せた。彼は普段から穏やかな優しい性格で、感情をあまり表に出さない。そのためヤル気がないとか、何も考えていないと誤解を受けることもある。迷いと焦りの中のスイングが、弱々しく見られてしまうことが残念だ。しかし、何とか結果を出しチームに貢献したいという気持ちは、決して他に劣ることはない。外国人は、成績が出ないと余計に目立つ存在であり、言葉が違うだけに非難を浴びやすい立場にある。それをジョーンズも十分、心得ている。何も感じていないはずがない。

 ジョーンズは静かに荷物をまとめ終わると、律儀にコーチ室へ挨拶にむかった。お世話になっているトレーナーにも一人、一人、声をかけた。そして札幌にいる家族に電話をし、明日からのことについて話しをした。

 今活躍をしている選手だって、数年前は、みんな悔しさをにじませ1、2軍を何度も行き来していたのだ。森本は2004年の開幕後にファーム行きを通告され、「監督の期待に応えられないことが情けない。」と監督室で声を上げて泣いた。チャンスをもらいながら継続して成績を残せなかった田中賢介もまた、「必死にやっているのに…。」と肩を落とし周りに励まされた。

 ジョーンズはもう、30歳だ。そう余裕もない自身の立場もわきまえている。しかし、あの日の森本や賢介のように、再度挑戦する権利は彼にだってある。その先には梨田監督の言葉通り、チャンスが待っているかもしれない。「僕はファイターズが好きだ。」とジョーンズは言った。和田のコメントに奮起したファイターズの戦いのように、チームの一員である彼は絶対に諦めない。今日のブーイングを、必ず力に変える。ジョーンズは、優しいだけじゃない。

■グリン投手 <6回、103球、打者27、安打7、三振3、四球3、失点3、自責3>

先発したグリン投手

「何とか勝ちにつなげたかったのですが、大事な場面で納得のいく投球が出来ず、悔しい結果となりました。特に先頭を打ち取っていながら、もう一押しが足りないのは自分の責任。余計な点数を取られ過ぎました。何とか逆転を信じたいです。」

■梨田語録

マウンドに集まる選手たち

「2点目は盗塁を決められてから2塁打、3点目の3連打といずれも2死から点を取られたのが響いた。9回の失点は余計でしたね。先頭打者の四球は点につながるもの。こちらは2回の1死3塁という同点のチャンスで点が入らなかった。田中賢、稲葉のホームランで追い上げましたが、あと一本出てたらまた流れが変わっていたでしょうね。1戦・2戦と勝ったので3連勝できれば大きかったんですが。」

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