2008.04.27 SUN
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■広報レポート <気合いの円陣は、日々の取り組みから>

 試合前のダグアウトで組んだ円陣で、グリンは掛け声役を買って出た。今日の試合にかける自身の意気込みをチームメイトに表現したかったのかもしれない。2日前のブルペン調整では、ボールが抜群に切れていた。本人のみならず、いつもグリンの投球を受ける中山ブルペン捕手も「今のグリンは絶好調ですね」と、本番での好投を確信していたかのようだった。準備は万全なはずだった。

 しかし、勝負とは難しいものだ。チームが波に乗り切れないと、その雰囲気が調子の良い者にまで微妙に影響する。高橋のケガによる捕手交代が直接的原因とは到底、思えないが、直後に投げ込んだ甘いストレートをフェルナンデスにもっていかれた。立ち上がりのスムースな投球が嘘のようにリズムを崩し、終ってみれば5失点。自ら投手戦を予想していたグリンが、許した先制ホームランによって緊張の糸を切ってしまったとも言える。「調子が良かっただけに、本当に悔しい」と、彼はいつになく精気のない表情で敗戦の重みを感じていた。

 先日、周囲を驚愕させる(決して、おおげさではない)出来事があった。グリンは、広報が仕事をする部屋でスポーツ新聞を広げると「僕はほぼ全打者の、漢字やカタカナで書かれた名前が読める」といった。誰もが一笑し、到底信じることは出来ない。それが・・「パ・リーグ打撃30傑」に出ている打者の名前を上から順に次々言い当てたのだ。はじめは、ただ打率順位を暗記しているのだと思った。しかし、今度はイースタンリーグの打撃結果にあったファイターズ・ファーム選手の名前を当てるよう、指示。またしてもほぼ全問正解!鵜久森は「ナントカ森」、ダースは「ナントカ、ス」と惜しかったが、明らかに漢字の読み方を覚えているからこその解答。グリンいわく「相手打者の攻め方など、スコアラーさんがくれる資料は貴重な情報源。漢字を少しでも覚え、そのデータをいつでも自分で見れるようにしたかった」そうだ。これまで数多くの外国人選手と接してきたが、漢字を読める者は当然グリンが始めてだ。一緒にいた見田広報グループ長も、目を丸くした。

 敗戦のあとは、とかく暗い気持ちになりがちだ。チームは連敗で、流れも良くない。しかし苦しいときこそ顔を上げ、元気に次へ挑むのがファイターズの持ち味だろう。漢字まで覚えてマウンドに上がる、グリンの取り組みはいつかきっと報われる。「今度は、自分で漢字が書けるようになりたい」と、グリン。この気合いをみんなが持ち合わせ円陣を組めば、再び上昇気流に乗っかれることは間違いないだろう。

グリン投手 <7回、打者30、球数101、安打9、四球1、三振3、失点5、自責5>

「全力で投球をしたのですが…結果を出すことが出来ず、残念です。バント処理の際、少し手をついてしまいましたが、全く問題ありませんし、その後の投球内容・失点には関係ありません。多くをコメントできず、すみません。調子が悪くなかっただけに、悔しい気持ちで一杯です。」

■梨田語録

「E先発の田中は今日はあまり良くなかったけどね。ランナーが出てもダブルプレーでチャンスを潰してしまってはね。グリンも良かっただけに先に点を取っていたら展開も変わっていたかもしれませんね。高橋は右大胸筋の張りで途中交代したんだけれども、明日の様子を見てみないとね…。これ以上故障者が出たら大変だからね。」

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