2008.05.01 THU
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■広報レポート <歯車が噛み合いはじめた>

 試合後、羽田の宿舎へ向かうバスに乗り込む選手たちの足取りは、軽かった。移動休みなしの強行日程。しかし、9連戦最初のカードに3連勝、加えて相手がマリーンズとあれば、蓄積されているはずの疲れも忘れさせる。初回からファイターズは主導権を握った。稲葉の先制タイムリーで活気づくと、前回登板まで制球難に苦しんでいた吉川は、風速7mの強風を追い風に変えて好投。四球とヒットで招いた2度のピンチも、若い左腕に立ち直りのきっかけをつかませたいと願う先輩たちの好守で切り抜けた。6回無失点と上々のデキにも、吉川は全く浮かれない。降板のあとすぐに今日のスコアブックを見返しながら「まだまだですね。四つ球をだしているうちは」と口元を引き締め、「今日はすべて野手のみなさんのおかげです。次も先発としての役割を果たさないと」と感謝しきりだった。

 4月30日から4番の座を任されて以来、稲葉は7打数6安打と猛打を見せている。彼の凄さは、打順によって心持ちやバッティングスタイルを一切、変えないことだろう。4番は長打と勝負強いバッティングの両方を求められると意識し、多くの打者は大振りが目立ってくる。打順変更への過剰反応は、その選手の持ち味を消してしまうことが多い。「僕は本当に4番目の打者としか思っていない。今日は、吉川を助けたいという一心で打席に入っていただけだよ」という謙虚な稲葉からは、逆に「頼れる4番」としての風格すら感じる。

 一方、稲葉4番と同日から3番に入った田中賢介も、二日間で3安打に3四球と十分その期待に応えた。こちらも長打を意識せず、次へ繋げる今まで通りのスタイルを貫いているのが好調の要因だ。無論、犠打ひとつにつき1人の子供に野球用具をプレゼントする、「夢の贈りバント」のことは忘れていない。送られてくる子供たちからの熱心な手紙に目を通し、「嬉しいですね。バントは全部成功させて、沢山の子供たちに喜んでもらいたい」と、チームから与えられた役目を自ら確認するように語った。

 自分の役割をしっかり果たすことで、チームの歯車が噛み合ってくる。明日からのイーグルス戦、きっちり先週のお返しといきたい。

吉川投手 <6回、打者21、球数88、被安打3、三振2、四球3、失点0、自責0>

「結果的に0点に抑えましたが、ピンチでの再三のダブルプレーなど、野手の方々のおかげです。今日はスライダーでストライクがとれたことが収穫といえますが、やはりフォアボールが多いのが気になります。あまり今日の結果にとらわれることなく、次回への反省点を明確にしてしっかり準備をします。」

■梨田語録

「F先発吉川は四球(3)など制球に不安定さは若干あったものの、変化球を主体にマリンスタジアム独特の風を上手く利用した頭脳的な投球内容だった。今日初めてスタメンの小山との息もピッタリだったね!!6回での降板は他に投げていない投手を使いたかったのも有るし、吉川に良いイメージで終わらせたかったのもあるね。森本が調子を上げて2番工藤も今日犠打3つ、3番賢介4番稲葉で点を取る良いかたちになってきたね!!やはり森本の出塁率が上がると格段に得点能力がアップするね!!4番稲葉はもともと力がある打者なので、あまり責任を背負い込まず、今まで通り4番目という意識で気楽に打席に入って欲しい。打線が上向きになっていることは間違いないが、こればっかりは判らないし、特に次の楽天戦は前回3タテをくらった投手がそのまままた来そうなので油断は出来ない!!苦しいチーム事情は変わらないので、毎試合、テーマはチーム一丸だね!!」

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