2008.05.02 FRI
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■広報レポート <カンゲキの初登板初勝利>

お立ち台でインタビューに応える多田野投手
お立ち台でガッポーズの投打のヒーロー

 マウンドと同じように堂々と振舞った。7回を1安打無失点で投げ終えた多田野にロッカールームでヒーローインタビューの可能性があると告げると「僕、しゃべりは駄目なんで。勘弁してくださいよ」と真顔に近い表情で懇願してきた。無理に背中を押したことを心の中でわびたものの、いざお立ち台に上がるとよどみない声で大観衆、そしてチームへの感謝を表した。1月の自主トレ中に転倒し、左手首骨折で出遅れて周囲をやきもきさせたが、メジャー1勝を挙げている逆輸入右腕はタダノ新人ではなかった。

 左腕で反動がつけられないため、140キロ後半の球速は鳴りを潜めた。それでも本場で磨いたツーシーム、スライダーで好調なイーグルス打線をほぼ完全に封じ込めた。「テレビ画面から消える(山なりの)スローボールも持ってますしね。打ちにくいと思いますよ」とは、ベンチ裏のモニターを見ていたダルビッシュだ。その投球スタイルに多田野本人は「アメリカでは同じ球を続けるとやられてしまう。敵地でもいいピッチングを続けていると立ち上がって拍手してくれた。たくさん学ばせてもらったことはきょうの登板に生かせたと思います」と5年間の異国暮らしをかみしめた。
 
 その力を引き出したのはメジャーに負けないボールパークの雰囲気だろう。5回終了後、西城秀樹さんによる生「Y・M・C・A」で4万1124人全員が踊り、声を合わせた。過去札幌ドームで4万人を越えた試合の成績はポストシーズンを含めて25勝7敗1分け。圧倒的なホームの追い風に「初登板の僕を本当に後押ししてくれました」と多田野は話した。敵地ヤンキースタジアムでY・M・C・Aダンスを見た経験とは違う、日本語のメロディーラインは「向こうで悩みを誰かに相談できなかったのが一番つらかった」という男に懐かしさばかりか立ち向かう勇気を与えた。
 
 「これで終わりじゃないですし、もっと勝ち星を伸ばしていけるよう頑張ります」立大時代から常に獲得リストに挙げていた28歳の1勝。前週に3タテを食らったイーグルスに雪辱を果たすにはこれ以上弾みがつく勝ち方はないだろう。

■多田野投手 <7回、打者22、球数74、被安打1、三振4、四球0、失点0、自責0>

大声援に手を振る多田野投手

「行ける所までいけという指示だったので初めから飛ばしていけました。初回から点を取ってもらい力まず投げることが出来ました。これだけの観衆の中で投げるのは高校時代の甲子園(対PL学園)とヤンキースタジアムがありますが、ホームの大声援を受けるのは初めて。本当に力になりました。」

■梨田語録

「親孝行誕生!!9連戦の中、武田勝がケガで時間がかかる時にファームの試合で1試合しか投げていないが大リーグの経験がある多田野を先発に起用した。前回負けているE岩隈との投げ合いとなったが、満員のファンの声援とF打線が初回に2点を先制したことで、多田野も気楽に投げれたのが良かったのかな。テンポも良く、コントロールも良く、スピードこそ130㎞/h後半ですが、的を絞らせず打たせるコツを知っているね。投げ込み不足が心配ですし、もう一回ファームで投げさせて故障をさせないようにしないと。移動ゲームで選手たちは疲れていると思うけど良く頑張ってくれています。」

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