2008.05.10 SAT
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港町に吹いたさわやかな風

大勢のファンに見守られて球場を後にする選手たち
ファイターズファンでびっしり埋まった函館オーシャンスタジアム

 叶うなら黒星を帳消しにしてほしい。誰もがそう願うほど、藤井の投球は圧巻だった。初回に四球と味方のエラーでピンチを作り、併殺崩れの間に1点を失ったが、2回以降はコーナーに伸びのある直球を集めて8回までに12Kを奪った。2ケタ奪三振は2年ぶり、通算8回目。「杉内君を見習って次は彼のような投球をしたいですね」と、ファイターズ打線を4安打無得点に封じた相手投手を持ち上げ、さわやかな表情でバスに乗り込んだ。

 年に1度の函館シリーズ。藤井は初登板を前に、東京から移動してきた8日に岸サブマネジャーを連れて函館山からのながめを楽しんだ。その数日前、仕事上でちょっとしたミスを冒した岸サブマネがわびを入れたところ、藤井のほうから男2人による100万ドルの夜景鑑賞に誘ったのだった。

 1週間前のイーグルス戦で打球を右鎖骨に受けた時も、人柄を垣間見せる驚きの言葉を口にしている。「グラブを出すのが遅れたんで、胸で(打球を)浮かせれば誰かが取ってくれると思ったんです」。狙い通りに金子誠へのフライとなってアウト。身も心もチームに捧ぐ姿を女神も見捨てないはずだ。

 超満員で膨れ上がった函館オーシャンスタジアムのファンに勝利を運んで来れなかったが、4年目で初スタメンの鵜久森にもプロ初安打が生まれるなど、勝率5割に逆戻りとはいえ暗さはない。宿舎へ戻るバスの前方に真っ青な津軽海峡、その先には下北半島が浮かんでいた。この先を暗示するように視界ははっきり開けている。

■藤井投手 <8回、打者34、球数132、安打6、四球3、三振12、失点1、自責0>

ピンチを凌ぎガッツポーズの藤井投手

「今日は、とにかくがむしゃらに、キャッチャーのミットめがけて投げることだけを考えていました。いきなり追いかける展開にしてしまい申し訳なかったのですが、何とか粘りは見せることが出来たと思います。」

■梨田語録

「F藤井・H杉内両投手の投げ合いになりましたが、初回にエラーがらみであげられた得点を守りきられたね。藤井も前半は球数が多かったが尻上がりに良くなってきましたし負けてる気がしなかった。杉内投手もあまり良いとは思わなかったが、うちの主力選手をうまく抑えられましたし、バント失敗がね!!最終回1アウトからエラーで出塁し3番、4番に回って来たので何かが起こる気はしたけど…。」

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