2008.05.13 TUE
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完敗

 マリーンズの新人、唐川の前に成す術もなかった。高校時代はストレートとスライダー以外はほとんど投げなかった唐川。しかし、プロ入り後の短い期間でカーブ、チェンジアップ、フォークを習得し、今夜も狙い球すら絞りきれないファイターズ打線を完全に手玉に取った。対戦した田中賢介は、「何といっても真っ直ぐが一番いいけど、変化球でもストライクが取れるのでどのカウントでも投げられるのが凄い」と脱帽した。

 唐川対策が不十分な訳ではなかった。過去2回の1軍登板でいずれも好投しているルーキーに隙はないかと、試合前から福良ヘッドコーチと渡辺スコアラーが熱心にビデオを研究。「相当いい。傾向は話せるけど、てこずるかもしれないな」と渡辺スコアラーの表情が曇った。福良ヘッドコーチは相手投手の癖を見抜き、短時間で端的に対策を説明するなど、野手陣が最も頼りにしている存在。しかし、「なかなか特徴も見つけづらい」と、18歳とは思えぬ投球術を相当警戒している様子が伺えた。

 試合中に平野打撃コーチは、「ベンチから見ていて、打てない球じゃないと思うんだけど」と話したが、それは実際打席に立つ打者にとっては非常に酷な見解だったに違いない。見た目以上に唐川のボールにはキレがあったということだ。もどかしい空気が流れる中、4番の稲葉だけが唐川から本塁打とツーベースを放ち、一人、気を吐いた。稲葉は試合前に志願の特打ち。その成果を直ぐに出した形となった。

 打てないから特打ち、という発想ではなく、稲葉のように進んで何かをやろうとする気持ちが、最後は実を結ぶ。渡辺さんや福良さんはじめ、多くの者が影で試合への準備を進めていることにも、選手たちは何かを感じなければならない。明日につながるものが得られれば、今日の試合は意味あるものになる。すべては各々の意識の持ち方ということだろう。このままずるずるいく訳にはいかない。

■グリン投手 <3回2/3、打者22、球数95、安打7、四球4、三振4、失点6、自責6>

「結果の通りひどい投球内容に、ただただ悔しいばかりです。先発としての役割を果たすことが出来ませんでした。今はそれしかありません。」

■梨田語録

「今日の先発Fグリンは良かったのか、悪かったのか!!2アウト、カウント2-1からヒット、四球と5失点ですからね…。M唐川に途中まで完璧に抑えられていたから、残塁も無いしね、東京ドームは狭いからランナーが出てたらチャンスもあったでしょうけどもファイターズの勝ちパターンとしては接戦に持ち込まないとね!!」

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