2008.05.17 SAT
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■広報レポート <下は向かない>

 ホークス・杉内と2度目の投げ合い。またしても藤井の好投は、白星という形では報われなかった。5月10日、函館でのホークス戦では、8回投げ12奪三振、自責点0の完璧投球も打線の援護なく0-1で敗戦投手に。並の投手なら、愚痴のひとつも言うかもしれない。しかし藤井は今日も冷静にゲームを振り返り、味方打線のことには全く触れず自分の投球への反省だけを口にした。全く一喜一憂をしない。サヨナラ負けのあとのロッカーでも、ダルビッシュに薦められたというプロテイン粉末を水と丁寧に調合し、ゆっくりと栄養補給をするのはいつもの光景だった。スワローズから移籍してきたとき、「チームの勝利に貢献することだけを考えてプレーしたい」と語っていた藤井。いくら相手打線を抑え込んでも、勝ちに繋がらないのは彼にとって納得の内容とは評価できないのだろう。エースとして長らくスワローズを牽引してきた誇りを藤井の態度から感じることが出来た。

 杉内は、ゆったりしたフォームから両コーナーを巧みにつく相変わらずの投球術を見せつけた。昨日の猛攻が影を潜めたファイターズ打線が三振の山を築く(12三振)中、2番に入った高口がプロ入り初打点を含む2安打を放ち、見事梨田監督の期待に応えた。5月2日。楽天・松本のシュートを打ちにいき、左腕に死球を受け打撲で1軍登録抹消。せっかくつかんだ限られたチャンスが、するりとこぼれ落ちた。しかし高口は、下を向くことがなかった。ファーム合流の際も「一日も早く治して、意地でも1軍に戻ってきます」と力強く話した表情には、自信がみなぎっていた。5月16日。言葉通りに、ケガの完治に合わせるように1軍復帰。金子誠が戦線を離脱し苦しい内野手事情が続く中、それを打ち消すような活躍を見せ始めたのは頼もしい。

 連勝もいつかは途切れる。終始、優位に試合を展開していただけに今日のゲームは勝ちたかった。なにより藤井に勝ちをつけたかった。しかし、建山も宮本も責められない。誰よりもこの悔しさを感じ、藤井を思っているのは二人に違いない。サヨナラ打を打たれた宮本は、試合後険しい表情でバスに乗り込んだ。早稲田大の後輩でもある宮本に、宿舎到着と同時に笑顔で話しかける藤井の姿が印象的だった。

■梨田語録

「今日は2点で逃げ切らなければいけない試合だったね…F先発藤井は7回まで本当に素晴らしい力投でした!8回も対松中までと決めての続投でしたが…四球は計算外でした。前の打席までは完全に抑え込んでいたので、1死をとってから建山・武田久につなぐ予定でしたから…。試合の中での1つのエラーが流れを変えたね…。2点差と1点差では投手や守る側のプレッシャーは全然違うからね。とにかく交流戦まで残り1試合!!今日のことを教訓にしながらも気持ちを切り替え、明日勝って良い形で本拠地に戻り、ファンの皆さんと共になって、交流戦に臨みたいですね!!」

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