2008.05.23 FRI
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■広報レポート <何と言われようと、オレたち流>

ヒーロー
稲葉選手ホームラン

 緊急事態は、持ち前の全員野球で乗り切った。

 ファイターズ入団後2度の1軍登板では、1つの四球も与えない抜群の安定感を見せた先発・多田野。今日も初回に荒木、井端を連続三振に打ち取る上々の立ち上がりで、誰もが再びの好投を予想した。しかし、3回。先頭のデラロサを簡単に仕留めたあと、次打者・平田にまさかの頭部死球。抜いた緩いボールで、当の平田も俊敏に避けなかったため、当初はデッドボールのコールだった。しかし落合監督の抗議によって、あっさり判定は危険球に覆ってしまう。退場を宣告された多田野は、不意の出来事にしばらく呆然とした。ロッカーに戻っても、チームメイトが声をかけるタイミングを躊躇するほど彼の表情は厳しかった。「ブルペンに負担をかけてしまい、申し訳ない気持ちです」と、しばらく間を置き仲間への謝罪を口にした。いくらルールとはいえ釈然としない判定変更にも、多田野は一切の不平を漏らすことはなかった。

 「ブルペンでは、キャッチボール程度しかしていません」と、多田野のあとを受け、突然の指名でマウンドに向った坂元。ウォームアップ不足を周囲が懸念するもどこ吹く風の快投ぶり。3回2/3を任され3安打無失点でチームのピンチを救った。坂元を送り出した後のブルペンも気合に満ちていた。厚澤投手コーチの「絶対に点数を与えず、稲葉のホームランを無駄にしない。意地でもこの1点を守りきる」との思いが後続のリリーフ陣にも伝わった。建山、宮西、武田久が中日打線を完全に封じ込め、4人リレーの完封勝利は立派だ。試合後、険しかった多田野の表情に笑顔が戻った。「何とかするのが、仲間ですから」と、勝利投手となった坂元も多田野の心中を思いやった。

 「実は坂元はセ・リーグ時代から、中日打線に滅法強い。必ずやってくれる」と、試合中から坂元の好投を予想していた厚澤コーチにも、今日のリリーフ陣はいつも以上に頼もしく映っただろう。内容もさることながら、困ったときに持ち前の結束力を発揮するファイターズにとって、理想的な勝利といえる。複数形、「オレたち流」で、明日もドラゴンズに正面からぶつかっていく。

■多田野投手 <2回1/3、球数26、打者8、安打0、三振3、四死球1、失点0、自責0>

2回1/3、無安打無失点

「立ち上がりからコントロールがよく理想の投球が出来ていました。(退場の場面は)抜けた球(抜いたストレート)だったのでまさかと思いましたが、ルールなので仕方ありません。ブルペンに負担をかけて申し訳ない気持ちですが、このまま勝ってくれることを信じています。」

■梨田語録

1-0の接戦の勝利にファンに大きく手を振る梨田監督

「F先発多田野にとっては3回の危険球退場はちょっと厳しい判定でしたね。D平田も全然タイミングが合っていなかったし、打者というものはタイミングが合わないと、どうしても投手に向っていく習性があるので全く避けなかったですよね。それにしても急遽登板の坂元は良かったね!!継投を考える間もなく登板させたものの、その後も建山・宮西・武田久と上手く強打ドラゴンズ打線を抑えてくれました。打線のほうは稲葉が文字通り『値千金の本塁打』でした!!上手く腕をたたんでつまり気味ながらも、切れずに入れてくれました!!守備での田中賢・工藤のプレーも素晴らしかった!!ミスもあったがそれを全員でカバーしようとした、ファイターズらしい『ピリッとしたゲーム!!』でした。」

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