2008.06.12 THU
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■広報レポート <「メークドラマ」は自家発電で>

B・Bとお立ち台
外野のファンの声援に応えます。

 東京読売巨人軍を挑発したつもりなど、梨田監督の頭の中には全くなかっただろう。昨日の先発投手を事前発表したに過ぎなかった出来事が、相手球団の怒りを買い奮起を促すとは到底、思えない。読売・原監督がファイターズの調子に乗った言動に「なめられていいのか」と選手にゲキをとばしたそうだが、当のファイターズ面々に気持ちが緩んだり、読売に対して「なめた」態度をとっている者は皆無だった。いつも通り、精一杯戦うという空気しか感じられず、対戦者が無理矢理「札幌メークドラマ再び」のストーリーを演出しようとしていたに過ぎない。無論、今日もダルビッシュは変わらず謙虚であり、梨田監督は自軍の勝利に最善を尽くすだけだった。相手が何をエネルギーの源としても構わないが、嘘はいけない。ファイターズナインは今日の試合は負けたくないと、逆に燃えた。

 先発・多田野は、今日も無四球、1失点で7回を投げきった。これで多田野が先発した6試合は、すべてファイターズが勝利。彼の安定した投球がチームにも安定感を生むのだろう。最終回はMICHEALが読売に1点を献上し、なおも2アウト3塁。1発出れば逆転のメークドラマだったが、最後は鈴木尚を三振に打ち取り、読売のシナリオ続行を阻止した。

 ファイターズにも、意地がある。

 多田野は常日頃、「決してスペシャルではない自分のボールをどう生かすか、考えています」と口癖のように言う。まだ完治とは行かず可動域に制限のある左手首が原因で、投球の際に反動をつけることが難しいためストレートの速度が以前に比べて遅くなった。それをカバーするために他球種で緩急をつけ、同時にコーナーをしっかり突く投球を更に意識をするようになったという。研究熱心な多田野らしい取り組みだ。

 先日、北海道での完全休日に、多田野は一人で旭川にある旭山動物園を訪れた。動物好きが理由ではない。「全国で一番観客動員の多い動物園と聞いたので。どういうマーケティングや運営をしているのかと、以前から興味があったんです。」物事を分析しようとする姿勢は、まさに彼のピッチングそのもの。「日中は半袖でも気持ちよくて、行ってみてよかったです」と、休日の出来事もしっかり投球に生かしてきそうな雰囲気がある。

 真のメークドラマは、外的挑発ではなく、内的な鍛錬から生まれるのかもしれない。多田野がそれを証明する可能性は、十分ある。ファイターズは、無理矢理ストーリーを作り上げるまでもなく、日々の取り組みの連続から、自然に嘘臭さのないドラマを作り上げていきたい。

■多田野投手 <7回、打者27、球数89、安打4、三振2、四球0、失点1、自責点1>

3勝目の多田野投手

「今日の調子は、良くもなく悪くもなくと言えます。長打のあるバッターが多いので、不用意な四球などを出し走者をためたりしないように心がけました。相手に的を絞らせない鶴岡捕手のリードのおかげです。」

■梨田語録

ファンに帽子を脱ぎ、挨拶する梨田監督

「何とかジャイアンツに一矢を報いることが出来て、正直ホッとしました。多田野が本当に良く投げてくれましたね!!持ち前の制球力を駆使して、ジャイアンツ打線を翻弄する投球内容は安定感抜群ですね!!攻撃陣も田中賢の初回先制本塁打で流れを掴み、糸井の中押し、これは糸井の打撃は勿論、鶴岡の走塁も光りました!!また最後の1点は、小谷野の執念が見事に乗り移った気迫の適時打でした!!次のヤクルト戦は前GM高田さんが監督のチームですので、満員のここ札幌ドームで、ファイターズファンの皆さんと共に、是非快勝したいですね!!」

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