2008.07.08 TUE
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
0
0
0
3
0
0
X
R
H
2
5
5
10

■広報レポート <苦味が旨みに変わるとき>

 ジェイソン・ボッツの1軍デビューは、3打数無安打の、ほろ苦い結果となった。「1軍レベルとなると、さすがに制球力が違うね。なかなか簡単にはいかないものだ」と今日の試合を振り返ったが、悲壮感は全くなかった。むしろ日本で野球が出来る喜びをかみしめるかのように、笑顔すら見せた。「焦りは禁物。早く結果がほしいけど、まずは雰囲気に慣れることが大切」と、2軍戦5試合で3本塁打を放ったことに捕われない冷静さは、頼もしい。

 物事など、はじめからスムーズに行かないのは常、ということをボッツは身をもって体験している。1999年にグランデール大学からドラフト46巡目という、下から数えた方が早い低評価でレンジャーズに入団。プロとしてのスタートはまさに最底辺からだった。「下位指名だからね。結果を出すしかなかった」と、直ぐに見切りをつけられかねない状況の中で必死にアピールをしたという。2メートル近い巨漢では、並外れた長打と気を抜かない全力プレーで魅せるしかない。その思いは、今日の試合でもみて取れた。1打席目は平凡なサードゴロ。2打席目はピッチャーゴロ。どちらも1塁まで全力疾走した。早くもファイターズの一員として、しっかり仲間入りしたことを証明した。

 来日間もなく、ボッツを交え皆で食事をした。まだ使い慣れない箸にてこずり、ご飯がうまくすくえない。スプーンを差し出したが、固辞した。「日本の流儀にならって行動しないとね。何でもチャレンジだよ」と笑みを浮かべながら懸命に米粒を拾った。新たな環境に適応する意欲が何よりも日本では大切だが、その度量をボッツは備えていると感じた。「久しぶりに口にした」というビールを一口飲むと、「ビールって、こんなに苦かったかな」と笑い飛ばした。

 ほろ苦いビールの味は、日本デビューの味だったか。今日のマリンスタジアムでは、雨が降り止まなかった。ところがプレーボール直前に晴れ間が見え、レフト後方に虹がかかった。「はじまりはいつも、底辺から」のボッツにとって、今後の活躍を暗示するかのような天候だ。あの日の食事で、「僕らの本拠地だよね」と、さりげなくサッポロビールを注文したボッツが、札幌で本領を発揮することを願わずにはいられない。

■スウィーニー投手 <6回、打者26、球数95、安打7、四球1、三振1、失点5、自責点5>

「今シーズン最低の出来であったといっても過言ではありません。コントロールがなかなか定まらず、自分の描いていたような内容とは程遠く、ただただ悔しい気持ちで一杯です。ボールが真ん中にことごとく集まり、正直、よく5点でおさまったと思います。10点とられていても仕方のないような出来に、申し訳ない気持ちです。次回に向けて課題をはっきりさせ、この不満足な登板を取り返すしかありません。」

■梨田語録

「今日のロッテ先発清水直は初回腕が振れてなかったが、早川のツーランホームランで生き返ったね。スウィーニーもそうだけど、ホームランを打たれるのはコントロールと、ボールの高さですね。中にはローボールヒッターもいますけどね。ヒットも4本しか打ってないし、早川のホームランが痛かった!!」

  1. トップ
  2. 試合情報
  3. ゲームレポート