2008.07.09 WED
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■広報レポート <打って兜(かぶと)の緒を締める>

 プロ入り初の猛打賞にも、チーム敗戦の前に笑顔がなかった今成。6回、逆転の足がかりを作る打点つきの2塁打を放ったその裏に、先発・グリンが再逆転を許してしまった責任を今成は感じていたのだろう。いくらバットで成績を残しても、ゲームマネージメントを担うキャッチャーとしての責任を果たさなければ意味がないと、7失点の要因を投手だけに被せることはなかった。ここまで負けを重ね、ある意味今日が背水の陣との覚悟でマウンドに上がっただけに、勝利に結びつく投球が出来なかったグリンは降板後に口をつぐんだままだった。しかし、初めてバッテリーを組んだ今成にだけは賛美を惜しまなかった。「彼は好リードをしてくれた。しっかり自分の持ち球を引き出してくれたし、呼吸が乱れることもなかったよ。今成には感謝している」と、渋いグリンの表情が一瞬、やわらいだ。

 マリーンズ先発・大嶺には馴染みがあった今成。ファームで何度となく対決しているので特徴をつかんでいたばかりか、高校2年の春、石垣島でキャンプをした際、実際に大嶺のボールを受けたこともあるという。「球筋の綺麗な素晴らしいボールを投げていました」と相手を持ち上げたが、捕手の視点で大嶺の癖を捉えていたのが、今日の結果につながった。「振っていかなければ結果は出ないと思い、積極的にいきました」。その思いきりのよい打撃は、内角を大胆に要求する捕手としての今成にも通じている。

 「勝ちたかったですね」と今成はロッカーで悔しさ一杯の表情を見せた。安定した投手力で白星を重ねてきたファイターズにとって、大量失点での敗戦はチームの精神面に少なからず影響を与える。「打っても兜(かぶと)の緒を締める」姿勢さえ忘れなければ、今夜の試合は捕手・今成の成長の肥やしとなる内容だった。高橋不在の中、鶴岡に次ぐ第二捕手の存在は不可欠。今成が名乗りを挙げるためには、グリンから得たような信頼をすべての投手から得る必要がある。彼にはその力が十分にあるはずだ。

■グリン投手 <5回1/3、打者26、球数116、安打7、四球5、三振4、失点6、自責4>

「不用意な四球が多すぎました。丁寧にいこうと思ってしまったことが裏目に出てしまった場面もあり、悔やまれます。せっかく打者陣が逆転してくれたあとの失点は許されません。粘りきれなかったことが不甲斐ない。何とか勝利に貢献したいという気持ちだけは持ち続けたのですが…」

■梨田語録

「グリンが投げる時は、打線の援護が中々無かったけれども、今日は6回3点を取って逆転し、本音を言わせてもらえれば、あと最低1イニングは抑えて欲しかったね…。7回以降の継投も出来ていただけに…。今成のリードも両サイドを上手く使って良かったと思います。ただ6回は本塁打よりも何よりも、ベニーへの四球が悔やまれますね…。球数も多く(116球)、コーナーを狙いすぎて、自分自身で苦しい展開に追い込んでしまいました。ただ四球絡みの失点はあったものの、球の威力、キレなどは徐々に戻りつつあり、調子的には上向きだと思います。打線も良く粘り、新外国人ボッツの初安打&初打点、今成の猛打賞(3安打)、金子誠の勝負強さなど良い点もあったのですが…。明日ホームに戻り、ここは心機一転『巻き返し!!』ですね。」

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