2008.07.11 FRI
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■広報レポート <いつも、心穏やかに>

お立ち台の投打のヒーロー

 「今日負けたら、ずるずるいってしまう。」試合前のクラブハウスでは、普段あまり成績を口にしない選手間でも、連敗ストップの重要性が話題となっていた。先発・ダルビッシュに託された重責はいつも以上に大きかったはずだが、そのプレッシャーを全く感じさせない落ち着いた投球で今季10勝目。今シリーズの初戦をモノに出来なければ3位転落も免れない危機を頼れるエースが回避した。「調子がよかった」(ダルビッシュ)というカーブを駆使し、いつにも増して定まった制球から9つの三振を奪った。厚澤投手コーチも「今夜のダルビッシュは素晴らしい」と、3回表の3者連続三振を含む序盤の快投に大記録達成の可能性が一瞬、脳裏を過ぎったようだ。しかし、好調・川崎を中心にここ3試合波に乗るホークス打線は、6、7回に長打をからませ一気に5安打を放ち2得点。完璧を求めるダルビッシュにとって、最後に次回への課題を残した。

 7回表の終了後、シャツを着替えにロッカーへ下がったダルビッシュが広報の部屋に立ち寄った。じゅうたんの敷かれた床に座り込み、軽いストレッチをしながら試合モニターを覗き込む。「2点も取られちゃ、いけませんね」と失点を悔いながらも、投球を冷静に振り返り我々にもその内容を話してくれた。おおよそ、登板中の投手とは思えない穏やかな表情で・・。ホークス・松中に打たれた2塁打に関しては、「最後は力勝負でいこうか迷ったんですけど・・うまく打たれてしまいました。次はしっかり投げないと」と、早くも次戦へのヒントを見つけたようだ。攻撃が2アウトになるのを見届けると、「よし」と軽く気合を入れなおし、ダッグアウトに戻っていった。1点差に詰め寄られ試合は拮抗していたが、まったく動じていないダルビッシュの言動に、周囲にいた誰もが今日の勝利を確信した。

 昨年、7,8月のダルビッシュは1度も負けていない。ペナントレースがヒートアップすればするほど、彼は本領を発揮する。帯広からの3連敗でチームに若干の動揺が走ったが、エースが自らの投球で、こういうときこそ一喜一憂しないことが大切であると皆に示した。パリーグ3連覇の道のりは長く、精神的にも厳しい戦いが続く。焦らぬ言動が、ずるずる連敗を回避する一番の要因となるに違いない。ダルビッシュは、ただの1勝以上の何かを今夜、ファイターズにもたらした。

■ダルビッシュ投手 <9回、打者32、球数109、安打6、三振9、四球1、失点2、自責2>

9回、松中選手を三振に仕留め、ガッツポーズ

「連敗していたので自分たちを勢いづけられるよう、力でねじ伏せようと思っていました。緩いカーブを効果的に使うことができ、球数が少なかったので9回も行きますと自分から言いました。10勝目は早いに越したことはないですが、これからもっと勝たなければいけないという気持ちは変わりありません。」

■梨田語録

「ダルビッシュは前回の登板から調子は上向いてきているし、今日は球数も少なくスローカーブをうまく使ったエースらしいピッチングをしてくれました。1番の森本が4安打とチームを引っ張ってくれたし、今日は打線のつながりこそなかったけどツーアウトから得点出来たのが良かったね。連敗も止まり、3連戦の初戦をとれたので勝ち越したいですね。」

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