2008.07.13 SUN
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
0
0
0
2
0
0
0
0
8
0
0
0
0
0
0
0
0
1
R
H
10
12
1
8

■広報レポート <明るい話題が、2つもある>

三安打猛打賞の稲葉選手

 終盤まで2点ビハインドの拮抗した内容だったが、最後にリリーフ陣が崩れ9回一気に8失点。終ってみれば1-10の大敗で対ホークス戦3連勝を逃した。ファイターズの明るい話題は、2つある。ひとつは前回、帯広で登板し5回で4被弾を浴びた武田勝が、8回2失点の好投をしたことだろう。投球時に体が横にぶれてしまう癖がスライダーの切れを奪っていたが、ブルペン調整でうまくフォームを修正し、緩急と制球力を生かした武田勝らしいピッチングが戻ってきた。「失投だった」という荒金の2ランを悔やんだが、松田、松中、レストビッチのクリンナップを松田の内野安打1本のみに封じ込んだのは今後への大きな自信となったに違いない。グリンの不調、ダルビッシュの五輪開催時不在を考えると、武田勝の活躍は優勝への絶対条件になる。「感覚をつかんだ」という試合後の武田勝の言葉は、本人のみならずファイターズ首脳陣にとって力強く響いた。

 もうひとつの明るい話題は、ホークス先発・和田の前に沈黙が続いたファイターズ打線の中で、一人気を吐いた4番・稲葉の活躍だ。プロ入り通算1500安打の記録達成まで4本に迫って挑んだ今日の試合。1打席目に中前打で勢いづくと、続く2打席目には左前、最終打席にも左前に弾き返し、ついに残りあと1本となった。多くの選手は節目の一打が近づくと、力みが生じ本来のバッティングを見失ってしまうものだが、稲葉には全く無縁のようだ。デーゲームの今日も朝8時には球場入りし、入念に試合への準備を進める姿はいつもと変わらない。広報の部屋に顔を出し、一通り新聞に目を通しながら他球団の動向や他選手の成績をチェックするあたり、自身の記録には特別な意識などないのかもしれない。毎日、取材リクエストの絶えない稲葉だが、嫌な顔ひとつせず誠実に、丁寧に対応を重ねる。「プロ入りできただけでも、ありがたいことだったから」と、謙虚な姿勢を貫けるのが稲葉の魅力だ。今日の試合で右脚を痛めたスレッジがロッカーに引き上げてくると、真っ先に彼の元へ駆けつけ元気づけたのも、稲葉だった。決して本調子とはいえない稲葉自身の脚の状態をさしおいて他を心配するのも、1500安打を特別視しない言動に通じるものがある。

 次戦は明後日の楽天戦。他球団がほとんど評価しなかった法政大・稲葉をプロ入りに導いた、当時のスワローズ指揮官、野村監督の目前で1500安打を達成すれば、最高の恩返しになるだろう。ひとつの完敗にとらわれる必要などない。明るさを失わないファイターズが、東京でのホームゲームに挑む。

■武田勝投手 <8回、球数106、打者31、四死球3、安打4、三振4、失点2、自責点2>

8回、2失点

「4回のホームランは完全な失投です。それ以外は、ここ3試合の中で一番でしたので、プラスに考え次は良い結果が出せるように努めるだけです。まだこの試合は終っていません。チームメイトをしっかり応援したいと思います。」

■梨田語録

試合状況を見つめる梨田監督

「チャンスは8回だけでしたね…。ボッツの一打に期待したのですが、もうひと伸びして欲しかった…。F先発武田勝は、打線の援護に恵まれず降板しましたが、復帰後一番の出来だったと思いますよ。H先発和田は、こちらのデータ以上に素晴らしい投球内容でしたね。また好守、特に今日は、センター辻に『抜けた!!』と思った打球がことごとく好捕されましたね…。大量失点で最後は大差負けで終了しましたが、完封を阻止をするなど意地も見せてくれました。気分一新、東京ドームにて、対楽天戦に臨みます!!」

  1. トップ
  2. 試合情報
  3. ゲームレポート