2008.07.19 SAT
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■広報レポート <責任>

 「みんな、何か対策ない?」バファローズ先発・山本に対し、試合前の野手ミーティングで中島、平野両打撃コーチが選手に問いかけた。延々約15分も流れた山本のビデオテープを前に、両コーチの言葉は続かない。4月23日の札幌ドームで屈辱の5安打完封を喫している同投手に、返り討ちだけは避けなければならなかったが…低目へのコントロールと巧みな変化球を擁すオールター選出投手・山本の前に、具体策を見出せないまま挑んだ今夜の試合。結局山本から奪った得点は、田中賢介のソロホームランのみ。プレーボールの6時になっても気温30度の猛暑に、体力を消耗されただけの空しい結果に終った。

 ファイターズ先発・多田野も、山本に劣らず立ち上がりは非常にスムーズだった。4回まで与えたヒットは1本、4奪三振の完璧な内容。テンポの良い投球でバファローズ打線に全く付け入る隙を与えなかった。厚澤投手コーチが試合中、「多田野はいつも序盤に良い投球をする。課題は後半戦だろう」とコメントしたが、皮肉にもそれは的中した。5回。簡単に1アウトを取ったあと、6番・日高に一発を浴びてから様相が一変。今シーズン7個目のボークをコールされ気持ちも乱れた。6回にルーキー・小瀬に走者一掃の2塁打を許し5失点目を喫したところで降板した。「0-0の緊迫した場面で、集中しきれませんでした。調子は悪くなかったですが…」肩に乗せたアイスバッグの位置を何度も確認しながら、苦い表情に悔しさをにじませた。

 多田野は常に冷静沈着に見えるが、実は時として荒々しい闘志を秘めたファイターだ。負けず嫌いは、チーム1,2を争う。打たれたときは、ただうなだれるだけでなく、雄叫びをあげることすらある。「任された仕事は、絶対に果たしたい」(多田野)という責任感の強さが、負けん気の強さに通じている。クラブハウスでも同じだ。ダルビッシュとのサッカーゲームで完敗すると、笑い声をあげるダルビッシュを横目に本気で悔しがる姿は少々、滑稽だったが…

 研究熱心な多田野は、次回登板で必ず今日の反省点を修正してくるだろう。彼の日常の取り組みを見れば、それは一目瞭然だ。山本に2度目の完敗は屈辱だった。3度目は許されない。打撃陣も、今日の試合を肥やしに次回こそ山本を打ち崩すことと信じたい。具体案は、必ず打撃コーチが出してくれるはずだ。

■多田野投手 <5回2/3、打者26、球数101、安打7、四球2、三振7、失点5、自責点5>

「調子自体は決して悪くありませんでした。0-0の緊迫した場面で、我慢しきれませんでした。相手投手の方が、集中力が上だったということ。1本ホームランを打たれてからも、気持ちをしっかり持たなければ…。」

■梨田語録

「初回の1死1・3塁の攻防が今日の試合の明暗を分けたね・・・。2回以降Bs先発山本省は制球、切れともに良かったですね。打線のつながりを許さず、今日はやられました・・・。F先発多田野は、序盤上々の立ち上がりでしたが、5回Bs日高の本塁打からリズムが狂い、特に6回ボークを含め四球、3長短打を浴びるなど彼本来の持ち味を出せぬまま降板となってしまったのが痛いね・・・。9回完封目前の山本を引き摺り下ろし、2点を奪うところにF野球らしさは出たと思います。明日はこの意地の攻撃で、初回からFペースの野球で行きますよ!!」

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